十勝川温泉　三余庵 さんよあん TokachigawaOnsen SANYOAN

客室名は、小説、戯曲、和歌集の名前から引用されている。
「万葉（万葉集から）」、「春の海（与謝蕪村の句の一説）」、「桜の園（チェーホフ）」、「雪国（川端康成）」、「細雪（谷崎潤一郎）」、「若菜（島崎藤村の『若菜集』から）」と、世界の名作が付けられており、それぞれ色調と間取りの違う客室が用意されている。
全室に客室露天風呂か檜の内風呂が備わっており、貴重な「植物性モール温泉」を堪能できる。
11室全く同じタイプはないが、大きく分けると、以下の5タイプになる。
①露天風呂付き特別室（「桜の園」の1室のみ）
②メゾネットタイプ露天風呂付き特別室（「春の海」の1室のみ）
③檜風呂付き和室（テラスあり、全3室）
④檜風呂付き和室（テラスなし、全4室）
⑤檜風呂付き洋室（全2室）
このように分けられるが、ネット予約の時点で全室部屋指定ができるので、じっくりと選んでいただきたい。
宿泊料金で分けると、露天風呂付き特別室（①②）、檜風呂付き和室（③④）、檜風呂付き洋室（⑤）の3段階になっている。

タイプは異なっても、全ての客室が素材からこだわっている。
リビングの壁には漆喰（しっくい）が用いられ、フローリングには中国松の無垢材を使用。
手すきの和紙の壁や琉球畳など、ほぼ自然素材のみで演出された居心地の良い空間が全体に広がっている。

	客室の照明は、2000年（平成12年）の九州・沖縄サミットで首里城晩餐会の照明計画を担当した、照明デザイナー・近田玲子氏によるもの。
自然素材と間接照明による寛ぎの客室

彼女の手掛けた作品は、明かりの芸術とも呼ばれている。
間接照明を基本とした落ち着きのある演出が居心地の良さにつながっており、リピーターが多いことにも頷ける。

それでは、それぞれの客室について詳しく紹介しよう。
まずは、露天風呂付き特別室「351／桜の園」。
客室の名前は、ロシアの作家チェーホフ（1860-1904）の書いた戯曲から付けられている。
4.5帖の小上がりと6帖の寝室、リビングが備わった和室タイプで、唯一客室露天風呂と檜の内風呂を併設している。
和室には琉球畳を使用し、モダンな香りが漂う。
壁や天井は、天然素材の手漉き和紙で仕上げ、和の伝統も継承している。
寝室には、あらかじめ布団が敷いてあるので、スタッフが客室に入ってくることはなく、プライバシーが保たれている。
間取りは、リビング＋4.5帖＋6帖＋テラス＋露天風呂（石風呂）＋檜風呂＋T。
専有面積は、56㎡。
定員は、2～4名となっている。

露天風呂付き特別室「351／桜の園」・・・（平日2名様宿泊時の1名様料金￥36,000～）

テラスや坪庭も備える豪華な使用。
開放的な客室露天風呂や秋田檜の内風呂には、飴色の「モール温泉」をじっくりと堪能できる。
寒い時期などテラスに出てみるのは億劫に思われるかもしれないが、白鳥が飛来する十勝中央大橋が眺められる。
客室内は禁煙だが、こちらのテラスにて喫煙が可能だ。

夕涼みに最適なテラス

客室露天風呂と内風呂