お宿 花かんざし おやど はなかんざし Oyado HANAKANZASHI

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デザートは、自家製の杏仁豆腐。 上に小倉餡のソースをひき、白玉と大きな巨峰をあしらったもの。 杏仁豆腐と餡子が思いのほかよく合う。 旬を迎えた果物は、会津地方特産の「みしらず柿」。 皇室にも献上された上質な柿として知られている。
デザート「小倉あんにん 季節の果物」
以上が今回いただいた寒露の頃のメニュー。 華やかで、趣向を凝らした料理が並んだ。 ボリュームのある構成だが、満腹感を感じつつもヘルシーな印象。 全て食べても、お腹が苦になる感じはしなかった。 恐らく、和洋のバランス、料理の順番などが秀逸なのだろう。 食材はとにかく、安心で安全なものを優先しながら仕入れている。 ただし、福島の郷土料理などは積極的に再現している。 今回の料理は、2012年から料理長を務める望月昭さんが手がけた。 一つ一つの料理にその匠の技が垣間見え、女将とともに選ぶ京焼きの器と、見事にクロスオーバーしている。 もちろん、見た目だけでなく、味に関するこだわりは並ではない。 時間を気にせず、ゆっくりと、極上の会席料理を味わって欲しい。 夕食時にいただきたいのは、美味しい福島の地酒。 安達太良山の伏流水は、深く清い山麓に溶け込んだ雪と雨が40年かかって湧き出てくる軟水であり、酒造りに非常に適しているのだという。 二本松が生んだ、歴史ある2つの酒蔵をご紹介しよう。 西暦1716年（享保元年）に創業したのが、「奥の松酒造」。 伝統の技術に最新の設備を導入した、福島を代表する酒蔵である。 ちなみに、同社のロゴ｢奥の松｣は、俳優・森繁久弥（1913－2009年）の書によるもの。 一方の「大七酒造」は、1752年（宝暦2年）創業。 日本酒の最も正統且つ伝統的な醸造法「生もと造り」一筋に、豊潤な美酒を醸し続けている。 大七酒造の「箕輪門」は、すっきりした味わいで和食に最適。 10～15度の冷酒がお奨めだ。
奥の松酒造「純米生酒」	大七酒造「箕輪門」
朝食も、バリエーション豊富で豪華なものだが、お腹にやさしそうな健康的なラインナップ。 朝から元気な気持ちになれること間違いなしだ。 おかずで一際目を引くのが、豆乳酒粕鍋。 中には鮭、大根、豆腐が入っている。 お酒臭さはなく、さっぱりといただけるだろう。 他に貴重なのが、岳温泉に一軒だけある「渡辺豆腐店」の「玉とうふ」。 こちらはお土産でも人気の一品。 その隣りには、地元の温泉玉子と、ご飯に良く合うシソの実。 焼き魚はサバ。 おろしとハジカミ、昆布の佃煮が添えられる。 ほか、煮物（がんもどき、人参、菊菜）、めんたい、きゃらぶき、カブとカブの葉を炒ったもの、海苔（石巻の内海求商店）、味噌汁（アゲ、キノコ、ネギ）、香の物など。 デザートに、ゼリー入りのヨーグルトとパインをいただいた。
朝食・和食の一例（2012年10月上旬取材）

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