山あいの宿 喜安屋 - コラム~総括(4)-
「うたせ大浴場の近くの温泉街の中心にいるよりも、広い敷地の中で、本当にお客が喜んで、安心してもらえるような理想の宿を作りたい」と願った彼は、さっそく行動に移した。 2000年に造った切石風呂を置いた近くの土地(現在の場所)を手に入れたのだ。 コンセプトは決まっていた。 全室、離れ形式の露天風呂付きの客室とし、屋根付きの回廊で結ぶレイアウトにした。 |
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中心の黒い屋根の連なる建物が喜安屋。新緑の6月(左)と紅葉の11月(右) | |
そして、2006年(平成18年)10月にグランドオープンを果たす。 この時、屋号を「山あいの宿 喜安屋」と改めた。敷地面積は1200坪(現在は2000坪まで拡大)で、客室数は8室のみ。 母屋の土間や黄土色の土壁は古民家のような佇まい。 館内の調度品は、レトロな民芸調で統一されている。 |
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全室離れの宿として生まれ変わった「山あいの宿 喜安屋」 | |
ところが、以前のトイレなしの普通の客室の料金(1万3000円前後)から露天風呂付き離れになった事で、料金を上げるしかなく、それまでの常連客からは「料金が高すぎる」だの、引っ越ししたせいで「うたせ大浴場から遠い」だの、たくさんのクレームを受ける事になった。 それは半年ほど続き、達也さんは「地獄の日々」だったと振り返る。 | |
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屋根付きの屋外通路(回廊)が母屋と客室棟を結ぶ | |
しかし、源泉かけ流しの露天風呂、静かで広々とした離れの客室、貸切露天風呂、男女別の大浴場と露天風呂、味わい深い料理・・・など、贅沢すぎるぐらいのスペックにも関わらず、1万円台後半から2万円を切った料金に理解を示す人たちが増え始め、新生「喜安屋」には新たな顧客が生まれ、最初は口うるさく言っていた常連客もリピートして来訪してくれるようになったという。 | |
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2007年(平成19年)8月より、離れの切石露天風呂も貸切露天風呂として利用されるようになった。 客室露天風呂よりも大きな湯舟は、開放感に溢れている。 2009年(平成21年)には、露天風呂付き離れ 「草(そう)」と「光」を新設。 これで、現在のように、全10棟離れの宿になった。 |
2009年に新設した8帖タイプ「光」 | |
この地に移って以降、一躍人気宿の仲間入りを果たしたわけだが、温泉についてのこだわりは忘れてはいない。 基本的に全ての風呂が源泉100%かけ流しである。 湯量は豊富だが、気温が急激に冷える山間の宿なので温度調節が非常に難しい。 矢野社長は、外出した時など客室露天風呂の温度のことが心配で仕方がないのだという。 "湯守"としての精神を常に忘れていないのだ。 自ら石を積み上げて造り上げた湯舟は、矢野社長の分身とも言えるもの。 毎日湯を取り替えているのも、水を張りっぱなしにしていると汚れや黒ずみなどが湯舟につきやすいから。 一度湯を全部抜いて、日の光に当てて乾かすことで、浴槽を清潔に保ちいつまでも綺麗な状態が保たれているのだ。 部屋から浴槽が見えないようになっているのも強くこだわった点だ。 3人の娘がいる父親として考えた結果、この設えになったのだろう。 |
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矢野社長こだわりの客室露天風呂(8帖和室「月」の黒石風呂) | |
料理長渾身の料理もこの宿の評価を大きく上げている。 地産地消をベースに、無添加で滋味溢れる食材を見た目にも美しく仕上げている。 素朴ながら日本人の琴線に触れるような、飽きの来ないメニュー構成になっている。 |
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地の食材を中心に使う田舎料理が絶品 |
山あいの宿 喜安屋 宿泊レポート
コラム
大分県中西部、玖珠郡に属する九重町に筋湯温泉はある。 九重町は東は由布市や竹田市に、北西は玖珠町、南西部は熊本県阿蘇郡に接している。 九州山地の一角を占めており、全体が山地となっている。 筋湯温泉の位置関係を温泉地で説明すると、由布院(大分県)は南西方面にクルマで37㎞。 黒川温泉(熊本県)は北東方面で1......
この宿のキーワード | |||
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全10室が離れの露天風呂付き客室 | |||
屋根付き屋外通路で結ばれた施設棟 | |||
野趣満点の源泉かけ流し貸切露天風呂 | |||
閑静で秘湯情緒たっぷりの山間の湯宿 | |||
地の旬の食材を並べた珠玉の献立 | |||
こんな人はOK | |||
山の大自然に囲まれた環境をこよなく好きな方 ・温泉は源泉かけ流しに限ると思う方 |
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こんな人はNG | |||
温泉宿にカラオケ・居酒屋が必要だと思っている方 部屋から一歩出ると屋外になるのが苦手な方 |
IN | 15:00 | ||
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OUT | 10:00 | ||
カード使用 | 可(Visa、MasterCard、JCB) | ||
部屋の眺望 | 庭園 | ||
部屋食 | 個室の御食事処 | ||
夕食の内容 | 地産地消にこだわった和食 | ||
朝食の内容 | 和食 |
公式HPネット予約特典 | 【ベストレート(最低価格)保証】
公式HPからの予約が一番お得な料金になっております。 ・秘湯を守る会スタンプラリー(スタンプ10個で1泊無料ご招待) |
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お得なプラン | 「平日限定・4名様以上1室がお得」プランなどお得なプランの詳細は公式をチェック★ | ||
8帖タイプ/露天風呂付き離れ (定員2~3名) |
¥20,900~ 休前日アップ料金 ¥550~ 全6棟 間取り・・・踏込+8帖+広縁(板の間)+ミニキッチン+客室露天風呂+T |
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10帖タイプ/露天風呂付き離れ (定員2~4名) |
¥22,000~ 休前日アップ料金 ¥1,650~ 全2棟「風」「空」 間取り・・・踏込+10帖+広縁(板の間)+ミニキッチン+客室露天風呂+T |
創業/改築 | 創業:1967年(昭和42年)/改築:2006年(平成18年)/改装:2009年(平成21年) | ||
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部屋数 | 全10室 | ||
収容人数 | 30名 | ||
貸切風呂 | 料金 :宿泊の場合 無料 利用時間 :15:00~22:00、翌5:00~10:00 ※宿泊客の休前日(繁忙日)の貸切可 予約方法 :予約なし(先着順) 眺望 :庭園 |
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大浴場・他 | 男女別大浴場(男女の入れ替えなし) | ||
駐車場 | 10台 | ||
ペット | 不可 | ||
バリアフリー | 非対応 | ||
エステ・マッサージ | エステなし マッサージ40分¥4,000~ ※要予約 | ||
インターネット | 無料 Wi-Fi あり | ||
DVD | なし | ||
TVチャンネル | 地デジ対応 | ||
施設 | - | ||
冷蔵庫のシステム | 持ち込み専用冷蔵庫(冷凍室不可) | ||
自動販売機 | あり | ||
売店 | アイスクリームあり(¥200~) |
浴衣 | ◎ | バスタオル | ◎ |
タオル | ◎ | 石鹸 | ◎ |
ボディソープ | ◎ | シャンプー | ◎ |
コンディショナー | ◎ | リンスinシャンプー | ◎ |
シャワーキャップ | ◎ | 歯ブラシ | ◎ |
ドライヤー | ◎ | ブラシ | ◎ |
くし | ◎ | カミソリ | ◎ |
綿棒 | ◎ | 洗浄機付きトイレ | ◎ |
車いす | - | ||
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お子様 | 子ども用スリッパ/子ども用浴衣・半纏/子ども用食器 | ||
外国語 | - |
オススメお土産 | 「福を呼ぶ風の子」 | ||
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近くのコンビニ | クルマで30分 | ||
携帯アンテナ | ◎docomo | ◎au | ◎softbank |
料金 | - | ||
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利用時間 | - | ||
※食事付きプラン(要予約) | |||
料金 | - | ||
食事の内容 | - | ||
設定日 | - | ||
受付時間 | - | ||
その他 | - |
料金 | - | ||
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利用時間 | - | ||
その他 | - |
電車 | JR豊後中村駅下車~バスにて45分~「筋湯温泉」下車 | ||
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送迎 | なし | ||
クルマ | (大分・福岡方面)大分自動車道・九重ICより30分 (熊本方面)やまなみハイウェイなどで2時間 | ||
周辺観光スポット | 九重“夢”大吊橋、小松地獄 | ||
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レクリエーション(観光農園、公園など) | ヘリコプター遊覧飛行(久住高原スカイパークあざみ台)、外湯巡り、キャンプ | ||
スポーツ | - | ||
スタッフより | 社長 矢野達也さんからのコメント 2006年に温泉街の中心から少し離れた静かな土地に移転をして、全ての客室を離れにし、源泉かけ流しの露天風呂を付けさせていただきました。 朝は鳥のさえずりに耳を澄ませながら、夜は星空を眺めながら静かな時間をご堪能ください。 |
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取材日 | 2012/06/22 | ||
一部情報更新日 | 2023/05/17 | ||
※予約問合せの際は、必ず「貸切温泉どっとこむ」を見たと言ってください。 |
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この宿の記事制作者

温泉コム株式会社 代表取締役
30年以上前から、全国の温泉宿をまわり続け、「貸切風呂」の必要性を宿主に説いていた。 今でも、一年の半分を温泉宿で過ごす旅人でもある。 コラムニスト、カメラマン、ドローンパイロットの他に、ホームページのデザイン、コンサルタント業務もこなす。