元湯 環翠楼 - コラム~総括(6)-
現在の「元湯 環翠楼」を率いているのは梅村哲(さとし)氏。1988年生まれ。 東京YMCA国際ホテル専門学校にて接客業の基礎を、特に従業員の労働時間の管理に重点を置いて勉強したという。 その後、飛騨高山の温泉旅館で3年ほど修行した。主にフロント業務をまかされていたそうだが、そこで旅館経営の基礎を学んだ。 そして、2015年に「元湯 環翠楼」に入り、まず着手したのが労務改革。 時代は、労働力不足が深刻になる一方で、働き方改革が重要視される時代。勤務時間が長くなりがちな旅館業において、人材を確保し続けるためには勤務時間の管理が急務になっていた。 さらに、接客などスタッフによってバラつきのあったスキルを均一化するため、教育分野でも根気よく改革していった。先代は、そんな哲氏の働きぶりを見て五代目当主として認め、現在は人事や経営方針まで全て任しているという。 |
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玄関・フロント前のスペース | |
五代目・哲氏が目指す、将来の「元湯 環翠楼」の姿は一族経営の旅館ではなく、会社組織としても基盤がしっかりしている温泉旅館。伝統を守ることを念頭に置きながらも、時代に合わせて進化しているような旅館だ。 哲氏は「元湯 環翠楼」が訪れるお客様に対して、どんなサービスを提供することが大事なのか、常に考えているという。 例えば部屋食。この宿では特に大人数でない限り、食事は各客室でいただくことになる。最近は、食事を部屋ではなくお食事処で提供する施設も増えているようだが、ここでは部屋食という老舗温泉旅館の伝統を守っているという。 部屋食に限った話ではないが、五代目曰く、部屋食などの伝統を続けていくことでより歴史が深くなり、いずれそれがブランディングにもなり、唯一無二のおもてなしになるのだという。古き良き温泉旅館の文化が守られるのは、旅館好きにとってはありがたい限りである。 さらに旅館運営において大事にしていることは「経営者が現場をみること」だという。 例えば本で経営学を学ぶことは誰でもできるが、いざ勉強したことがそのまま現場に適用してみても、常にそれが正しいとは限らない。試行錯誤して、何が「元湯 環翠楼」にとって正しいのか、肌で感じることを大事にしているのだ。従業員にとって、このようなリーダーが現場にいてくれるならば安心して仕事に打ち込めるのではないだろうか。 さらに梅村氏自ら、現在お茶を勉強しているという。お茶を通して和の文化を学ぶことで旅館業に何か活かせないか、探っているそうだ。 |
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フロントにある昔のレジ(現在でも使用可) | |
人間が他の動物と圧倒的に違うのは、文化を持っているかどうかにつきる。 文字を書き、書物を残し、発明もするのが人間。 それを一括りで、文化と呼べば、人間は文化なくしては生きていけない。 新しい文化に触れ、刺激を受ける。 古い文化に触れ、感動を受ける。 そんなことができるのが人間の特権。 だからこそ、マーケティングでなく、トレンドでなく、文化に触れるという、温泉旅館の楽しみ方も知っておいたほうが、人生豊かに過ごせるというもの。 逆の言い方をすれば、「元湯 環翠楼」という宿を知らずして、人生を終えたら、もったいないという考えもある。 |
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よく手入れされている大正時代の客室~3F「桔梗」 | |
人類は、自由に時間を行き来できる、タイムマシーンの発明、誕生を、期待をこめて待ち続けて久しい。 専門家と称する人によれば、未来には行けないかもしれないが、過去には行けるかもしれない・・・らしい。 その重要な環境、アイテムは、その時代のものが、そのまま残っている事が望ましいという。 とすれば、ここ「元湯 環翠楼」ほど、タイムマシーンの実験には相性ピッタリな宿はないはず。 |
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大正時代に作られたステンドグラス | |
建物は当時のまま残っている。 一番時間を過ごす客室なども、そのままだ。 料理も、昔と同様の懐石料理にこだわっている。 温泉なども、ずっと同じ泉質のアルカリ性単純温泉。 当たり前のように、今も昔も、循環などしない源泉かけ流しの温泉なのだ。 そんなタイムマシーンがなくても、ある程度の妄想力とちょっとした知識があれば、明治、大正の頃に、タイムスリップできそうな空間が、この宿にはたくさんあるようだ。 そんな空間に身を委ねるのも、言い換えれば、文化に触れることと同じ。 人間に生まれた限りは、是非この空間に触れてほしいものだ。 ひとたび、この宿に入れば、温泉旅行が、「時間旅行」に変わる瞬間がきっとある。 |
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創業当時から変わらない渓流・早川のせせらぎ |
元湯 環翠楼 宿泊レポート
コラム
箱根湯本から、東海道に沿っておよそ1km。 有名な土木遺産に登録されている函嶺洞門を越えたところに、箱根七湯(現在は箱根二十湯と呼ばれている)のひとつ、塔之沢(塔ノ沢)温泉がある。 塔之沢温泉は、阿弥陀寺を開山した弾誓上人(たんせいしょうにん)が、慶長10年(1605)に発見したと伝えられている。 この地に誕生した「元湯 環翠楼」は、400年の歴史を刻む、箱根屈指の老舗旅館。 開湯(創業)は、......
この宿のキーワード | |||
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江戸初期創業の塔ノ沢随一の老舗旅館 | |||
幕末、明治、大正時代の偉人たちの定宿 | |||
大正ロマン溢れる有形文化財の宿 | |||
古より伝わる美肌の湯、源泉かけ流し | |||
旬の素材を吟味した懐石料理は客室で | |||
こんな人はOK | |||
技巧を凝らした日本建築に興味のある方 歴史に思いめぐらす事が出来る方 |
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こんな人はNG | |||
お客様は我儘し放題の神様だと思っている方 館内の備品類が貴重なものと認識していない方 |
IN | 15:00 | ||
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OUT | 10:00 | ||
カード使用 | 可(VISA・マスターのみ) | ||
部屋の眺望 | 川・山 | ||
部屋食 | 夕・朝 ※12名以上は宴会場 | ||
夕食の内容 | 懐石風料理 | ||
朝食の内容 | 日本食 |
公式HPネット予約特典 | 【ベストレート(最低価格)保証】 公式HPからの予約が一番お得な料金になっております。 | ||
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お得なプラン | 環翠楼建立100年記念プラン、平日限定プラン、お一人様プラン、日帰りプランなど、お得なプランの詳細は公式をチェック★ | ||
温泉内風呂付き客室 | ¥27,000~ (客室名「清流」で1泊2食2名利用の場合の1名分料金) ※部屋の広さは本間9畳+次の間、広縁、洗面所、トイレ、掛け流し内風呂付き |
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通常客室 | ¥17,000~ (1泊2食2名利用の場合の1名分料金) ※部屋の広さは本間8畳+次の間、広縁、洗面所、トイレ付き |
創業/改築 | 創業:1884年(明治17年)/改築:1996年(平成8年) | ||
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部屋数 | 全25室 | ||
収容人数 | 122名 | ||
貸切風呂 | 料金 :宿泊の場合 無料 利用時間 :内湯:24時間、露天:22:00~4:00 ※休前日の貸切可(内湯) 予約方法 :予約なし(先着順) |
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大浴場・他 | 男女別露天風呂あり(※男女別の入れ替え無し) 男女別 「大」風呂あり(※男女別の入れ替え無し) 岩盤浴(16:00~24:00) | ||
駐車場 | 30台 | ||
ペット | 不可 | ||
バリアフリー | 非対応 | ||
エステ・マッサージ | 英国製オーガニックトリートメントオイルを利用したアロマテラピー ※完全予約制 フルボディコース¥16,500/60分 セミボディコース¥13,200/40分 |
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インターネット | 全客室と応接間(2F)にてWi-Fi利用可 | ||
DVD | なし | ||
TVチャンネル | 地上波 | ||
施設 | 宴会場・売店・バー・卓球コーナー(有料) | ||
冷蔵庫のシステム | 利用した分だけ申告(持ち込みのドリンクを入れるスペースあり/冷凍室不可) 冷蔵庫のドリンク:中瓶ビール |
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自動販売機 | ジュース、アイスクリーム | ||
売店 | あり アイスクリーム |
浴衣 | ◎ | バスタオル | ◎ |
タオル | ◎ | 石鹸 | ◎ |
ボディソープ | ◎ | シャンプー | ◎ |
コンディショナー | ◎ | リンスinシャンプー | ◎ |
シャワーキャップ | ◎ | 歯ブラシ | ◎ |
ドライヤー | ◎ | ブラシ | ◎ |
くし | ◎ | カミソリ | ◎ |
綿棒 | ◎ | 洗浄機付きトイレ | ◎ |
レンタルサービス | 加湿器・釣り(無料)15:00~17:00 | ||
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車いす | - | ||
お子様 | お子様用の浴衣(90cm~)・専用料理「板長おまかせ日替わりメニュー」 | ||
外国語 | - |
オススメお土産 | 寄せ木細工の箸 | ||
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近くのコンビニ | クルマで3分 | ||
携帯アンテナ | ◎docomo | ◎au | ◎softbank |
料金 | - | ||
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利用時間 | - | ||
※食事付きプラン(要予約) | |||
料金 | ¥13,000~ | ||
食事の内容 | 懐石風料理 | ||
設定日 | 毎日 | ||
受付時間 | 15:00 ~ 20:00 | ||
その他 | 全ての温泉施設(大正風呂・貸し切り風呂・露天風呂)を利用可 |
料金 | - | ||
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利用時間 | - | ||
その他 | - |
泉質 | アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性・高温泉) | ||
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源泉の温度 | 30℃、45℃、58℃の3本の源泉を混合して使用 | ||
湧出量 | 60リットル/分 | ||
水素イオン | pH 8.9 | ||
溶存物質総量(ガスを除く) | 527mg/kg | ||
源泉の湧出状況 | 自家源泉で動力泉(ボーリングによってくみ上げる源泉) ※自家源泉の本数:3本 | ||
加水/循環ろ過 | 男女別大浴場、露天風呂、貸切風呂、客室露天風呂は、源泉100%かけ流し 部屋付きの温泉風呂は蛇口をひねると源泉が出てくる | ||
加温 | あり(季節によって加温) | ||
消毒 | あり(露天風呂のみ) | ||
浴槽の湯の入替 | 1日1回 | ||
入浴剤 | 不使用 | ||
泉質別適応症(平成26年7月1日改定) | 自律神経不安定症、不眠症、うつ状態 | ||
浴用の一般的適応症(平成26年7月1日改定) | 筋肉若しくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり ( 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、 神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期 )、 運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、 末梢循環障害、胃腸機能の低下 ( 胃がもたれる、腸にガスがたまるなど )、 軽症高血圧、 耐糖能異常 ( 糖尿病 )、 軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、 ストレスによる諸症状 ( 睡眠障害、 うつ状態など )、病後回復期、疲労回復、健康増進 |
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湯の色 | 無色透明 | ||
飲用 | 不可 | ||
飲用の適応症 | ― | ||
におい/味 | 無味無臭 |
電車 | JR小田原駅→小田急線にて箱根湯本駅下車、バス3分徒歩15分 または、箱根登山鉄道・塔ノ沢駅下車、徒歩5分 | ||
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送迎 | あり箱根湯本駅より送迎バスにて約5分(有料:一人100円/税込) | ||
クルマ | 【東京方面から】 東名・小田原厚木道路経由、小田原西ICをおりて約5分(4km)。 インターをおり、国道1号線で箱根湯本駅前を通り、函嶺洞門を抜け二つ目の橋を渡ると左側。駐車場は玄関前より20mほど先の道路両側。 【名古屋方面から】 東名、御殿場ICをおり、国道138号線にて箱根方面へ。 宮ノ下より国道より国道1号線にて大平台経由で約50分。箱根登山鉄道のガードを潜るとすぐ。塔ノ沢温泉場に入ると、道路両側に駐車場あり。玄関は20m先。 |
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周辺観光スポット | 阿弥陀寺・箱根ベゴニア園・箱根ガラスの森・彫刻の森美術館・ポーラ美術館・成川美術館 | ||
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レクリエーション(観光農園、公園など) | - | ||
スポーツ | - | ||
スタッフより | 五代目 梅村哲さんからのコメント 源泉かけ流しの温泉と館内にあふれる歴史を堪能してみてください。 |
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取材日 | 2013/06/17 | ||
一部情報更新日 | 2023/10/04 | ||
※予約問合せの際は、必ず「貸切温泉どっとこむ」を見たと言ってください。 |
Socials
この宿の記事制作者

温泉コム株式会社 代表取締役
30年以上前から、全国の温泉宿をまわり続け、「貸切風呂」の必要性を宿主に説いていた。 今でも、一年の半分を温泉宿で過ごす旅人でもある。 コラムニスト、カメラマン、ドローンパイロットの他に、ホームページのデザイン、コンサルタント業務もこなす。