積翠寺温泉　古湯坊　坐忘庵 せきすいじおんせん こゆぼう ざぼうあん Sekisuiji-onsen Koyubou ZABOUAN　

前へ 1 2 3 4 この宿の公式ページへ

料理長は、18代目にあたる館主の保坂実さん。 名古屋、京都、金沢の日本料理屋で、10年以上修業をしてきた。 金沢では、温泉旅館の料理長を務めた。 今も、修行時代に師匠から教わった料理を崩さず、基本を押さえた懐石料理を作り続けている。

ちなみに、夕食の敷紙には、館主直伝の書が記されている（プリント）。 「龍成雲自来」・・・これは、文豪・武者小路実篤が好んでいた言葉だという。 物事を実現しようとする強い意思があり、行動していけば物事は自ずと拓けて、運もついてくる・・・と、解釈できる。

館主直筆の敷紙
館主の、宿と料理に対する熱い気持ちが何気なく伝わってくるのだ。 「生湯葉ステーキ」以外の別注メニューとしては、「鯛のあら炊き」が人気。 お酒では、懐石と相性のいい甲斐の銘酒が好評だ。
	ところで、甲州ワインは和食にあうと言われていることをご存知だろうか。 すっきりとした酸味が、和の食材と調和し、繊細な日本料理に合う「唯一のワイン」として注目されている。 中でもお薦めの「勝沼甲州」という白ワインは、山梨県甲州市の旧勝沼町地域で収穫された葡萄などを使用している。 宿で開催されるイベント、「坐忘庵ワイン・地酒アワード2010」でもダントツの1位で金賞を獲得。幅広い年齢層から高い評価を得ている。

和食に合う勝沼甲州ワイン

また「古湯坊 坐忘庵」では、山梨名物の「ほうとう」は出されない。 これは、懐石料理という芯を崩したくない館主のこだわりだ。 旬の食材を使い、その時期に一番いいものを、一番いい調理法で提供することを、強い信念としている。 朝食は、やはり一品ずつこだわりのある和食メニュー。 食事処「山翠」でいただく。 取材時（2011年4月上旬）の献立は以下の通り。 座付・・・トマトの焼浸し 平皿・・・鯖のへしこと大根おろし、しめじ梅あえ 深鉢・・・温泉卵、そばの実あん 香の物・・・大根の浅漬けと古漬け お汁・・・六方（里芋と若布、こうじみそ仕立て） 煮物・・・厚揚げのおろし煮 そして、ご飯は、鯛めし（三ツ葉、針生姜）か、季節の炊き込み御飯（深川めし　あさり、針のり、針生姜）を選ぶことができる。 ちなみにへしことは、鯖のぬか漬のこと。 北陸の郷土料理をここで味わえるのも館主が、金沢で修行していたからだろう。

朝食の一例（鯛めしの場合 2011年4月上旬取材）

朝食の一例（深川めしの場合 2011年4月上旬取材）

サラダは、セルフサービス。水菜とベビーリーフのサラダ。 人参や玉ねぎを使ったオレンジ色のオリジナル野菜ドレッシングがサラダによくあう。

セルフサービスのサラダ

何といっても朝食で驚きなのは、鯛めしが出される点だ。 米の炊き加減と鯛の身のふっくらさが絶妙で、風味も最上。 一昼夜、厳選した鯛に一汐をあて、たっぷりの昆布と共に、骨からじっくりと煮出した汁で米を炊き上げている。ちなみに鯛めし米には、「梨北信玄米」（コシヒカリ）が使われている。 食味ランキングで5年連続特A評価を得ている米だ。

この鯛めしが支持され、某旅行サイト上の「決定！みんなが選んだ12部門の朝ごはんNo.1！」というユーザーからの投票で、和食ごはん部門の第1位を獲得しているほどなのだ。

鯛めし

ちなみに、総合部門でも帝国ホテルに次いで第2位を獲得している。 テレビ東京系列で放送（2010年12月27日）された「2010旅の総決算 クチコミ人気ランキング」に於いて、朝ごはん部門第2位に選ばれた（ちなみにこの時の1位は、「帝国ホテル東京」。3位は、「ホテルオークラ東京ベイ」）。 織部焼きの器で炊き上げたアツアツの鯛めし、是非ご賞味あれ。

前へ 1 2 3 4 ページの上に戻る