狩野川のほとり天城の深い緑に包まれる文化財建築の宿
落合楼 村上-施設&温泉(2)
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その他にも、明治44年には木下杢太郎が滞在中に『浴泉歌』を記し、また大正の時代に入ると、のちのノーベル文学賞作家、川端康成が頻繁に訪れるようになる。
といっても当時まだ駆け出しの書生であった彼には、ここ落合楼の宿泊代には手が届かなかったようで、そのため宿泊はここの近くにある「湯本館」の一番狭い客室で、「伊豆の踊り子」の執筆もそこでしていたという。
それでも毎日のように「落合楼」に出入りしていた、と後にその著書『湯ヶ島での思ひ出』に述懐している。
親友の梶井基次郎もここに訪れた。川端と文学論に花を咲かせ、また小説の着想も得ていたのだろう。
沼津の自然をこよなく愛したことで有名な歌人、若山牧水もここ天城の山桜に惹かれ、訪れては多くの歌を残している。
昭和に入っても多くの文人墨客を迎え入れていたこの宿は、さらに風格を増すべく、昭和8年から12年にかけて大改装を施す。
その時に建造されたのが、現存する、文化財登録されている建物の数々なのである。
玄関棟、本館を手始めに、紫檀宴会棟、配膳階段棟などが追って建造された。工事に当たったのは近隣の棟梁、青木清平氏で、彼を筆頭に日本各地から腕利きの大工が集結したといわれている。時代は昭和初期、大恐慌の後のこと。
疲弊しきった社会の中、これほどの大きな仕事はなかなかなかったのであろう。
職人たちも気勢を上げて取り組んだようで、その名残を館内随所に見られる精緻な細工に発見することができる。
文化財に登録されている建物は7つ。
玄関棟、客室のある本館と眠雲亭、紫檀宴会棟、階段棟、配膳棟、そして自宅棟だ。
他にも玄関横にある蔵、古民家の部材で建造された洋風のロビー棟があり、また平成に入ってエレベーター付の棟も建造されたが、それでも全体の雰囲気を損なうことのないように低層に抑えられている。
若干の高低差がある立地のため、例えば本館2階を渡ると眠雲亭1階というように、慣れるまでは迷路のような感覚もあるだろう。
館内はこれらの建物が通路を介して連結し、廊下の窓からは中庭の豊かな緑が見られる。ここに用いられているガラス窓も歴史あるもので、斜めから見ると外が歪んで見えるというもの。
この窓を通して館内に入る光には独特のやわらかさがあり、これがこの宿の幽玄な雰囲気を醸し出す一因となっているのかもしれない。
床柱や天井の羽目板などに惜しげもなく用いられる紫檀や黒檀、屋久杉などの銘木は今となっては入手困難または禁輸されているもので、そのダイナミックな室内の構成には、ただただ目を見張る。
また、障子などに見られる精緻な細工もまた見事。
館内どの部屋、どの客室にもこの細密な芸術を見ることができ、また今も現役で使用するに耐える。
現在では修復できる職人もいないといわれるものから、入念に手入れがされて磨きがかかり渋味の増した部材まで、滞在中至るところで往時の技術水準の高さを見、時代を超えて職人の息吹に触れることができるのだ。
大浴場は本館の階段を降りた地階にある。
男女別に分けられた浴場は入れ替え制で、どちらの浴場も狩野川に面した立地。
露天風呂は木々の緑と川の流れる音に包まれた、内湯はレトロなタイルが温泉情緒をくすぐる、どこも居心地のよい空間だ。
全ての湯舟にこの宿自慢の、良質の温泉が掛け流しにされているので、のんびりと浸かって日ごろの疲れを癒したい。
名物ともなっている大露天風呂、「天狗の湯」は、内湯部分が洞窟状になった豪快な印象のお風呂。
その内湯がトンネルで露天風呂とつながっており、コの字状の大きな湯船を形成している。
ここには大人20名が入れるほどの広さがあり、また露天部分にも檜やぐらが組まれ、天候にも影響されず良質の温泉湯浴みを堪能できるというものだ。
チェックインから24時までが男湯、入替して0時からチェックアウトまでは女湯となる。
反対にチェックインから24時までは女湯、0時からチェックアウトまで男湯となるのは、内湯の「レトロモダンタイル風呂」と半露天の「ひさご湯」。
これらは外部の通路で連絡されている。
内湯には大人10名ほど、半露天風呂には大人5名が入れるほどの大きさがあり、異なる趣向の湯浴みが一度で楽しめるようになっている。
落合楼 村上
基本情報
宿泊・日帰り・貸切料金/施設&サービス
宿泊料金 ※料金は1室2名様宿泊時の1名様分(サービス料込・消費税別)※別途入湯税150円(大人のみ)
公式HPネット予約特典 | 【ベストレート(最低価格)保証】 公式HPからの予約が一番お得な料金になっております。 |
お得なプラン | 基本、足湯付客室、親孝行、記念日、エステプランなどお得なプランは公式をチェック★ ※早割(2ヶ月前の予約で3,000円OFF)対象プランあり。 |
通常料金 | ¥25,000~ ・間取り・・・部屋の広さは12.5帖~ ※休前日は+¥3,000 |
露天風呂付き客室 | ¥34,000~ ・間取り・・・10帖+広縁(7帖)+踏み込み+客室露天風呂+ウッドテラス+トイレ |
お薦めの部屋 | ¥25,000~ 「松一」(芸術的な付書院の小障子と欄間の組子細工が特徴 ※部屋の広さは12.5帖 |
IN→ | 15:00 | OUT→ | 10:00 |
カード使用 | 可 | 部屋の眺望 | 川・庭園 |
部屋食 | 夕朝 | ||
夕食の内容 | 旬の食材を生かした月替わり会席 | ||
朝食の内容 | 和定食 |
料金 | 宿泊の場合 無料(40分) |
利用時間 | 15:10~24:20、5:00~9:50 |
予約方法 | チェックイン時 |
料 金 | - | ||
利用時間 | - | ||
食事付きプラン(要予約) | |||
料 金 | - | 食事の内容 | - |
設定日 | - | 受付時間 | - |
その他 | - |
部屋数 | 全15室 和9室(バストイレ付き9室) 和洋6室(バストイレ付き6室) |
収容人数 | 60名 | 駐車場 | 30台 |
ペット | 不可 | バリアフリー | 非対応(受け入れは可能) | ||
エステ・マッサージ | - | ||||
インターネット | 専用スペース LANケーブル(DSL) | ||||
DVD | なし | ||||
TVチャンネル | NHK2局、民放4局、NHKBS2局 | ||||
施設 | 宴会場・カラオケ・ラウンジ・売店 | ||||
自動販売機 | なし | ||||
売店 | あり |
貸切風呂 | 共同のお風呂(時間制):露天風呂・岩風呂・内湯 |
貸切風呂の眺望 | 川、山 |
その他のお風呂 | 男女別露天風呂あり/男女別(内)風呂あり ※男女別大浴場の入れ替え:あり |
冷蔵庫のシステム | スイッチ付き自動計算(持ち込みのドリンクを入れるスペースあり) |
冷凍室 | 不可 |
冷蔵庫のドリンク | 中瓶ビール:¥700、ジュース(オレンジ):¥300 |
アメニティ | |||||||
浴衣 | バスタオル | タオル | 石鹸 | ||||
ボディソープ | シャンプー | コンディショナー | リンスinシャンプー | ||||
歯ブラシ | シャワーキャップ | ドライヤー | ブラシ・くし | ||||
カミソリ | 綿棒 | 洗浄機付きトイレ | |||||
…常備 …有料で用意 …一部常備 …置いてない |
車イス | - |
お子様 | - |
外国語 | - |
オススメお土産 | 自家製わさび漬け:¥540(税込)~ ※宿のオリジナル | ||
近くのコンビニ | 車で5分 | ||
携帯アンテナ | ◎ ◎ ◎ |
泉質 | カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 | ||||
源泉の温度 | 55℃ | 湧出量 | 200リットル/分 | ||
水素イオン | pH - | 溶存物質総量(ガスを除く) | - | ||
源泉の湧出状況 | 自家源泉・自家源泉で動力泉(ボーリングによってくみ上げる源泉)・専用賃貸源泉・財産区管理源泉の4種 | ||||
加水/循環ろ過 | すべて源泉かけ流し(冬季など寒い時期には加温、暑い時期には天城の湧水を加えて温度調整をする) | ||||
加温 | あり(冬期のみ) | ||||
消毒 | あり(清掃時使用) | ||||
浴槽の湯の入替 | 1日1回 | ||||
入浴剤 | 未使用 | ||||
浴用の適応症 | 神経痛、筋肉痛、関節痛、運動麻痺、動脈硬化、うちみ、くじき、五十肩、慢性消化器病、痔、慢性皮膚病、病後回復期、疲労回復、健康増進 | ||||
湯の色 | 無色透明 | ||||
飲用 | 不可 | 飲用の適応症 | - | ||
におい/味 | 無臭 |
落合楼 村上
交通アクセス&周辺情報
車・電車・バス・送迎/観光・アクティビティー
電 車 | 伊豆箱根鉄道「修善寺駅」より中伊豆東海バスで30分、「湯ヶ島バス停」下車5分 |
送 迎 | あり(バス停) |
クルマ | 東名自動車道「沼津IC」より国道136号線、国道414号線経由で約60分 |
マップ |
周辺情報
周辺観光スポット | - |
レクリエーション (観光農園、公園など) |
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スポーツ | - |
落合楼 村上
スタッフより
落合楼 村上:女将 村上 伊津子さんからのコメント
「建物は昭和初期の書院造で、国の登録有形文化財に指定され、平成14年11月にリニューアルオープンいたしました。客室は庭園や渓流に面し、大露天風呂、室内大浴場のほかに、貸切大露天風呂も用意しております。お料理は、旬の素材を生かした月替わりの会席料理でお楽しみください。」 | |
※予約問合せの際は、必ず「貸切温泉どっとこむ」を見たと言ってください。 | |
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取材日2008/05/29 一部情報更新日2014/06/30 |