山水館信濃 - コラム~総括(2)-
現在、山水館信濃を牽引しているのが専務の奥灘充氏。
山水館信濃の経営だけでなく、のりくら観光協会の宣伝部長や、一般社団法人信州・乗鞍グルーンツーリズムの理事も務め、自身の宿だけでなく、観光地全体で盛り上がろうと努力している。
産業をどんどん生み出すことで地域活性化を狙っているのだという。現在好評なのが「乗鞍BASE」というアクティビティ施設だ。
アドベンチャーパークやマウンテンバイクの半日レンタル、キャンプ場などが運営されている。子供達がのびのびと楽しめる環境が魅力的だ。現在はダムを活用したツアーなどの開催なども検討しているという。
山水館信濃の運営を手伝っているのは充氏の息子の慎太郎氏。 海外留学に行っていたが、2019年から施設の運営を手伝っているそうだ。親子で仲良く宿を運営している姿はなんとも微笑ましい。
専務の奥灘充氏(右)と息子の慎太郎氏(左) |
慎太郎氏は山水館信濃の未来を担う人材だ。
だがしかし、温泉旅館の経営とはそう簡単にはいかない。その大変さを充氏は知っているからこそ、慎太郎氏には幼少期からあまり「宿を継いでくれ」とは言わなかった。
しかし、慎太郎氏曰く「おじいちゃんには『継いでくれ』とよく言われた(笑)」らしい。祖父の言葉の影響がどれほどだったのかはわからないが、慎太郎氏が海外留学に行っているときも頭の片隅には山水館信濃のことがあったのかもしれない。
慎太郎氏が海外留学に行くきっかけとなったのが、中学生の頃の交換留学。行き先はスイスのグリンデルヴァルトという村だった。まるで「アルプスの少女ハイジ」の世界のような美しい土地だ。
美しい景色に心奪われた慎太郎氏はそこで、いつかまた海外に行くと決めたに違いない。
大学を選ぶ時に迷ったそうだ。
父の充氏は東京経済大学卒で商学を学んでいた。その当時から山水館信濃のことも考えていた慎太郎氏は父と同じように商学か観光系の大学に行こうと最初は考えていた。
だが、本当に自分のやりたいことを見つめ直し、さらに目まぐるしく経済環境が変わる現代で、父と同じことを学ぶのは本当に意味があるのか、と考えたこと充氏は、最終的に海外留学を選んだ。
行き先はカナダのバンクーバー。語学留学とワーキングホリデーを組み合わせて、2年弱滞在した。
取材時はまだ、宿の運営を手伝い始めたばかりだというが、慎太郎氏の豊富な海外経験を活かした、山水館信濃の将来が楽しみでならない。
慎太郎氏はまず乗鞍の雪質の良さ、いわゆるパウダースノーの認知度向上を目指したいとのこと。アクティビティを目当てにした若い人を、乗鞍高原に呼び込むのが目的だそうだ。
乗鞍高原の将来を語る慎太郎氏の話を微笑みながら聞いている父・充氏の姿が印象的だった。
「宿を継いでくれ」とは自分からは言わなかったものの、宿の運営を手伝い始めて一番嬉しく思っているのは充氏に違いない。
また、この宿の仲居さんは勤務年数が長い人が多く、慎太郎氏が幼少期のころから知っている人も多いそうだ。
とある仲居さんは「あのイケメンは私の息子なんです(笑)」という冗談も言うほど。
山水館信濃は、アットホームな温もりも感じられる温泉旅館なのだ。
山水館信濃 宿泊レポート
コラム
「山水館信濃」は、「白樺」、「かえで」、「山すもも」などの木々に囲まれ、四季折々に様々な表情を見せる大自然のど真ん中に佇んでいる。スキー場に隣接し冬はパウダースノーが楽しめる。雪のないシーズンは、カラッとした高原地全域......
施設&温泉 レポート
急峻で険しく、男性的と形容されることの多い北アルプスの山々。ところが、南側に位置する剣ヶ峰(標高3026m)を主峰とする乗鞍岳は、なだらかな丘陵地帯が広がる女性的なイメージの山並みが続いている。標高1,500mに広がる高原地域が「乗鞍高原」.....
客室 レポート
客室数は、西館と東館を合わせて20室。客室の名は、「すもも」や「つがざくら」といった乗鞍の山野草や山の幸から名付けられており、より山の宿としての情緒を高めている。どの部屋からも、山の四季折々の表情を楽しむことができる.....
料理 レポート
フロントの横にあるお食事処「逢来(ほうらい)」でいただくことになる。内容は山の幸が並ぶ山家風会席料理となっている。まさにご馳走だ。囲炉裏には地元産の炭火が焚べられている。「馳走」とは元来、奔走するという意味があり.....
おまけ
国定公園に指定され、夜の10時以降の外出が制限されている乗鞍高原なので、歓楽街的なものはない。個人的におすすめしたいのが大浴場の露天風呂へ再び行くこと。標高1500m、澄みきった高原の空気に浸り、星が輝く夜空.....
この宿のキーワード | |||
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貸切露天風呂が館内に2つ | |||
大浴場では幻想的な乳白色の温泉が楽しめる | |||
乗鞍の幸をふんだんに用いた郷土料理 | |||
スキーやトレッキングの際の拠点に最適 | |||
四季折々の自然を間近で感じられる | |||
こんな人はOK | |||
静かな高原の雰囲気を楽しむことができる方 湯の花たっぷりの温泉が好きな方 |
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こんな人はNG | |||
施設面ばかりを重要視する方 硫黄の腐卵臭を温泉情緒として考えられない方 |
IN | 15:00 | ||
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OUT | 10:00 | ||
カード使用 | 可(事前決済のみ) | ||
部屋の眺望 | 山 | ||
部屋食 | なし | ||
夕食の内容 | 山家風囲炉裏料理 | ||
朝食の内容 | 山菜を中心としたヘルシー和食 |
公式HPネット予約特典 | ・熊よけ鈴プレゼント(春~秋季) ・湯の花:温泉成分の素プレゼント(冬季) |
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お得なプラン | 貸切風呂無料プラン、信州プレミアム牛鉄板焼プラン、2間続きのお部屋のプランなど、詳細は公式をチェック★ | ||
西館 和室8畳+縁 | ¥13,000~ 和室8畳+縁 ※バスなし、洗面所&洗浄機能付きトイレあり |
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西館 洋室ツイン | ¥13,000~ 洋室ツイン ※バスなし、洗面所&洗浄機能付きトイレあり |
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西館 2間続きの和室18~22畳+広縁 | ¥12,000~ 2間続きの和室18~22畳+広縁 ※バスなし、洗面所&洗浄機能付きトイレあり ※基本は定員4名~、大人3名可の一部設定日あり |
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東館 和室8畳 | ¥11,000~ 和室8畳 ※バスなし、洗面所&洗浄機能付きトイレあり |
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東館 和室6畳 | ¥10,000~ 和室6畳 ※バスなし、洗面所&洗浄機能付きトイレあり |
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東館 2間続きの和室14畳+縁 | ¥9,000~ 2間続きの和室14畳+縁 ※バスなし、洗面所&洗浄機能付きトイレあり宿泊情報 ※基本は定員4名~、大人3名可の一部設定日あり |
創業/改築 | 創業:1973年(昭和48年)/改築:1995年(平成7年) | ||
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部屋数 | 全20室 和19室(バストイレ付き2室/トイレ付き17室)洋1室(トイレ付き1室) |
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収容人数 | 80名 | ||
貸切風呂 | 貸切露天風呂×2 宿泊の場合 ¥1,000/60分(一組・税別) 利用時間 :15:00~22:00 予約方法 :チェックイン後フロントへお申し込み(先着順) 眺望 :山・夜空 |
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大浴場・他 | 男女別大浴場(内風呂+露天風呂) | ||
駐車場 | 50台 | ||
ペット | 不可 | ||
バリアフリー | 非対応(通路手すりはあり) | ||
エステ・マッサージ | エステ:なし マッサージ:なし |
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インターネット | Wi-Fi利用可 | ||
DVD | なし | ||
TVチャンネル | 地上波のみ | ||
施設 | 宴会場・売店 | ||
冷蔵庫のシステム | 自由に使用可(持ち込みのドリンクを入れるスペースあり/冷凍室あり) | ||
自動販売機 | ジュース | ||
売店 | あり |
浴衣 | ◎ | バスタオル | ◎ |
タオル | ◎ | 石鹸 | ◎ |
ボディソープ | ◎ | シャンプー | ◎ |
コンディショナー | ◎ | リンスinシャンプー | ◎ |
シャワーキャップ | ◎ | 歯ブラシ | ◎ |
ドライヤー | △ | ブラシ | × |
くし | × | カミソリ | ◎ |
綿棒 | × | 洗浄機付きトイレ | △ |
車いす | - | ||
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お子様 | - | ||
外国語 | - |
オススメお土産 | 湯の花、くるみゆべし、とちの実せんべい | ||
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近くのコンビニ | 車で40分 | ||
携帯アンテナ | ◎docomo | ◎au | ◎softbank |
料金 | 入浴料:¥500(1名)+貸切料:¥1,000/60分(税別) | ||
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利用時間 | 12:00~16:00 | ||
※食事付きプラン(要予約) | |||
料金 | - | ||
食事の内容 | - | ||
設定日 | - | ||
受付時間 | - | ||
その他 | - |
料金 | 入浴料:¥500(1名) | ||
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利用時間 | - | ||
その他 | - |
電車 | JR松本駅→上高地線「新島々」駅下車→乗鞍高原行きのバスに乗り、「スキー場前」下車徒歩8分 | ||
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送迎 | なし | ||
クルマ | R158を上高地方面へ→前川渡を左折、県道乗鞍線を乗鞍高原へ(看板案内27番) | ||
周辺観光スポット | 一ノ瀬園地、乗鞍岳、上高地、新穂高 | ||
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レクリエーション(観光農園、公園など) | 一ノ瀬園地 | ||
スポーツ | - | ||
スタッフより | 館主 奥灘 充さんからのコメント 都会には無い、山の素朴さがある旅館です。きれいな空気を吸いながら四季折々に表情を変える山を散策していただいた後は、乗鞍の山の幸をふんだんに盛り込んだ料理でお客様をおもてなしいたしております。お客様に身も心も元気になっていただくことが、私の願いです。 |
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取材日 | 2008/03/25 | ||
一部情報更新日 | 2023/09/21 | ||
※予約問合せの際は、必ず「貸切温泉どっとこむ」を見たと言ってください。 |
Socials
この宿の記事制作者
温泉コム株式会社 代表取締役
30年以上前から、全国の温泉宿をまわり続け、「貸切風呂」の必要性を宿主に説いていた。今でも、一年の半分を温泉宿で過ごす旅人でもある。コラムニスト、カメラマン、ドローンパイロットの他に、ホームページのデザイン、コンサルタント業務もこなす。