彩花亭 時代屋 - コラム~総括(2)-
江戸時代初期に羽州街道が開かれると、その道沿いに共同湯が開設され、多くの旅籠屋が建ったという。 同じ山形の湯野浜温泉、福島の東山温泉とともに、「奥羽三楽郷」とも呼ばれるようになった。 ただし、1783年(天明3年)から明治時代初期までは家中地(藩士の居住地)に定められてしまい、湯宿の営業が禁止されていたため、温泉地として真に発展したのは、明治時代以降になる。 現在は、葉山地区、新湯地区など各所に泉源が発見され、温泉郷を形成。 その豊富な温泉を利用し、共同浴場が7ヶ所、足湯が5ヶ所もある。 宿泊施設は、21軒ほどが6地区に点在している。 |
|
1882年(明治15年)には、南村山郡金瓶村(現在の上山市)で、歌人の斎藤茂吉(1953年没)が生まれている。 中学校に進学する経済的余裕が無かったため、親戚である、東京浅草の医師・斎藤紀一の家に養子に入る。 しかし、この山形の地で育った茂吉は、生涯故郷への思いが強かったという。 アララギ派の中心人物となった茂吉は、精神科医を生業としながら、生涯多くの歌を詠んだ。 高校時代に、正岡子規の歌集を読んでいたく感動、歌人を志し、伊藤左千夫に弟子入りする。 |
|
上山市金瓶出身の歌人・斎藤茂吉 | |
全17冊もの歌集を発表し、その合計は全17,907首にもなる。 現在、市内には「斎藤茂吉記念館」が建っており、歌碑も町のあちこちにあるなど、茂吉が上山の人たちに愛されているのがよく分かる。 長男は故・斎藤茂太。次男は北杜夫。斎藤由香は孫。 そして、大正期には、新湯温泉、昭和初期に高松温泉や葉山温泉が開発されて、「かみのやま温泉」の基礎が形成された。 この頃に、「彩花亭 時代屋」の前身が誕生。 当時は、市内で創業した蕎麦屋だった。 戦後間もなくして、先代社長(宿の初代社長)が、蕎麦屋「冨士乃家」を復興させ、成功する。 その後は、飲み屋や置屋など幅広く事業を展開していった。 1964年(昭和39年)、温泉の湧出する土地を持っていた先代は、旅館を始めようと、遂に着工。 そして、2年後の1966年に宿をオープン。 この時の屋号は「冨士ホテル」だった。 ここで、現在の社長、宿としては二代目にあたる、冨士重人さんの経歴をご紹介しよう。 1949年(昭和24年)に生まれた冨士さんは、山形県内有数の進学校を卒業し、慶応義塾大学に入学。 卒業後は、大手デベロッパー関連の会社に入社し、エリート街道をひた走っていた。 しかも当時は、「元SMAPの稲垣吾郎似の美青年だった」(本人談)というから羨ましいかぎり。 本社の人事部から系列のリゾートホテルまで、およそ8年に渡って勤めあげた。 |
|
しかしながら、1981年(昭和56年)、冨士さんは33歳で宿に戻る。 何故、エリートビジネスマンの道から外れてまで、家業を継ごうと思ったのか。 それを冨士さんに伺うと、「親を助けたかった」と一言、答えてくれた。 | |
社長の冨士重人さん | |
このままの「冨士ホテル」では、じり貧状態になると予想し、両親の作ったこの宿を立て直そうと考えたからだ。 サラリーマン時代も、ホテルの運営に携わっていた冨士社長にとっても、自分の腕を試しどころであった。 確かに、近所には全国的に有名な大型旅館や、伝統ある老舗宿などが建ち並んでおり、山形でも屈指の激戦区である。 ここ上山・葉山地区で生き残っていくため、冨士社長はリニューアルの構想を練っていった。 それは、団体旅行客を捨てて、個人旅行客をメインにシフトさせるという試みだった。 |
彩花亭 時代屋 宿泊レポート
コラム
名峰「蔵王山」の麓に位置するエリア一帯は、古くは「山方」という地名だった。 そして、江戸から見て近い方は「上山方」、遠い方が「下山方」と呼ばれていた。 この「下山方」は現在の山形市、そして「上山方」が上山市にあたる。 現在の山形市は、県南東部、蔵王連山の裾野に広がっている。 奥羽三楽郷と呼ばれた550年の歴史を......
この宿のキーワード | |||
---|---|---|---|
時間を優雅に楽しむ貸切露天風呂 | |||
個性溢れる源泉かけ流しの客室温泉風呂 | |||
和の癒しにノスタルジーを加味した客室 | |||
大人が愉しめる和モダンのデザイン空間 | |||
山形牛をはじめとする美食の献立 | |||
こんな人はOK | |||
大事なパートナーと至福の時間を共有したい方 湯宿にはセンスとデザインが必要だと思う方 |
|||
こんな人はNG | |||
温泉宿で飲んで騒いで憂さを晴らしたい方 口喧嘩の絶えないご夫婦・カップル(パプリック施設が少ない分、いっしょにいる時間が長いため) |
IN | 15:00 | ||
---|---|---|---|
OUT | 10:00 | ||
カード使用 | 可 | ||
部屋の眺望 | 山・街並み | ||
部屋食 | 基本的に個室の御食事処 「山吹彩」に2名でお泊りの場合のみ、部屋食可能 | ||
夕食の内容 | 和会席 | ||
朝食の内容 | 和食 |
公式HPネット予約特典 | 粗品プレゼントや、レイトチェックアウト(通常10:00⇒11:00)等 ※特典内容は宿泊プランによる | ||
---|---|---|---|
お得なプラン | 米沢牛&山形牛食べ比べプラン、『クアオルト』バランス食膳プラン、グループプラン、家族旅行応援プランなどお得なプランの詳細は公式をチェック★ | ||
和室10帖 (定員2~4名) |
¥16,500~ 休前日アップ料金 ¥1,100~ ※全3室 間取り・・・和室10畳+ユニットバス+ベランダ |
創業/改築 | 創業:1966年(昭和41年)/改築:1990年(平成2年)/改装:2010年(平成2年) | ||
---|---|---|---|
部屋数 | 全13室 | ||
収容人数 | 105名 | ||
貸切風呂 | 貸切露天風呂×1 料金 :宿泊の場合 ¥1,620(45分)※消費税込 利用時間 :14:00~21:00 予約方法 :事前予約(宿泊予約時)・チェックイン時 |
||
大浴場・他 | 男女別大浴場(男女の入れ替えなし) | ||
駐車場 | 30台 | ||
ペット | 不可 | ||
バリアフリー | 非対応(盲導犬可) | ||
エステ・マッサージ | - | ||
インターネット | 全室Wi-Fi対応 「別邸 時」のみ有線LAN対応 | ||
DVD | あり(「山吹彩」「橙彩」) レンタル用も3台あり | ||
TVチャンネル | NHK2局、民放4局、NHKBS2局、BS10局 | ||
施設 | 宴会場・喫茶室・売店 | ||
冷蔵庫のシステム | 持ち込み専用冷蔵庫(持ち込みのドリンクを入れるスペースあり/冷凍室あり) | ||
自動販売機 | あり | ||
売店 | あり |
浴衣 | ◎ | バスタオル | ◎ |
タオル | ◎ | 石鹸 | ◎ |
ボディソープ | ◎ | シャンプー | ◎ |
コンディショナー | ◎ | リンスinシャンプー | ◎ |
シャワーキャップ | ◎ | 歯ブラシ | ◎ |
ドライヤー | ◎ | ブラシ | ◎ |
くし | ◎ | カミソリ | ◎ |
綿棒 | ◎ | 洗浄機付きトイレ | ◎ |
レンタルサービス | 色浴衣、貸自転車 | ||
---|---|---|---|
車いす | 無料貸し出し用車いす2台 | ||
お子様 | 別邸「時」に泊まる赤ちゃんプランあり( オール電化のキッチンや、洗濯機・乾燥機を完備。赤ちゃんのミルク作りや、赤ちゃんが汚してしまった服の洗濯もできる。) | ||
外国語 | 英語 |
オススメお土産 | 時代屋せんべい | ||
---|---|---|---|
近くのコンビニ | 徒歩で10分 | ||
携帯アンテナ | ◎docomo | ◎au | ◎softbank |
料金 | 大人1000円 小人700円 | ||
---|---|---|---|
利用時間 | 12:30~15:00 | ||
※食事付きプラン(要予約) | |||
料金 | 7,700円(税込)+入湯税/人 | ||
食事の内容 | 和食 | ||
設定日 | - | ||
受付時間 | - | ||
その他 | 4名様からご予約を受け付け可。 |
料金 | - | ||
---|---|---|---|
利用時間 | - | ||
その他 | - |
泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉) 旧泉質名:含石膏-弱食塩泉 | ||
---|---|---|---|
源泉の温度 | 66.2℃ | ||
湧出量 | - | ||
水素イオン | pH 7.8 | ||
溶存物質総量(ガスを除く) | - | ||
源泉の湧出状況 | 掘削動力揚湯(ボーリングによって汲み上げる源泉) ※旅館組合で集中管理して各旅館に分配される源泉(葉山地区1号源泉、2号源泉) | ||
加水/循環ろ過 | ○貸切露天風呂「桜彩」:加水をしない源泉100%かけ流し ○貸切露天風呂「欅彩」:源泉かけ流し+循環を併用 ○「百蘭彩」以外の客室風呂:源泉100%かけ流し(自分で地下水を加えて温度調節が可能) ○「百蘭彩」のジャグジー露天風呂:地下水を使用 ○男女別露天風呂付き大浴場:源泉かけ流し+循環を併用 |
||
加温 | あり(寒いとき) | ||
消毒 | あり(塩素消毒) | ||
浴槽の湯の入替 | 貸切露天風呂、客室風呂:1日1回 大浴場:毎日3分の2の湯を抜いて入れ替えて清掃。週1回は完全に入れ替え |
||
入浴剤 | 不使用 | ||
泉質別適応症(平成26年7月1日改定) | 動脈硬化症、慢性婦人病、虚弱児童、慢性皮膚病、切り傷、やけどの他に一般的な適応症(神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進) | ||
浴用の一般的適応症(平成26年7月1日改定) | 筋肉若しくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり ( 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、 神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期 )、 運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、 末梢循環障害、胃腸機能の低下 ( 胃がもたれる、腸にガスがたまるなど )、 軽症高血圧、 耐糖能異常 ( 糖尿病 )、 軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、 ストレスによる諸症状 ( 睡眠障害、 うつ状態など )、病後回復期、疲労回復、健康増進 |
||
湯の色 | 無色透明 | ||
飲用 | 不可 | ||
飲用の適応症 | ― | ||
におい/味 | 無味無臭 |
電車 | 山形新幹線「かみのやま温泉」駅下車、タクシー5分、徒歩20分 | ||
---|---|---|---|
送迎 | 要予約(かみのやま温泉駅西口まで送迎。夕方15時~18時、朝10時) | ||
クルマ | 山形自動車道「山形蔵王IC」よりR13経由30分、東北中央自動車道「山形上山IC」よりR13経由10分 | ||
周辺観光スポット | 上山城、齋藤茂吉記念館、蔵王 | ||
---|---|---|---|
レクリエーション(観光農園、公園など) | さくらんぼ狩り | ||
スポーツ | 蔵王スキー場 | ||
スタッフより | 代表取締役 冨士重人さんからのコメント 落ち着いた雰囲気の中でリラックスしてお過ごしください。特に貸切露天は部屋付きでごゆっくりしていただけます。 美味しい料理、清潔感、様々なお風呂など、トータルでお楽しみください。 |
||
取材日 | 2012/06/07 | ||
一部情報更新日 | 2023/04/26 | ||
※予約問合せの際は、必ず「貸切温泉どっとこむ」を見たと言ってください。 |
Socials
この宿の記事制作者
温泉コム株式会社 代表取締役
30年以上前から、全国の温泉宿をまわり続け、「貸切風呂」の必要性を宿主に説いていた。 今でも、一年の半分を温泉宿で過ごす旅人でもある。 コラムニスト、カメラマン、ドローンパイロットの他に、ホームページのデザイン、コンサルタント業務もこなす。