忘れの里 雅叙苑 宿泊レポート

客室露天風呂の温泉は、温度の違う「ナトリウム・マグネシウム・カルシウム－炭酸水素塩泉」の2本の源泉のうち、高温の源泉（にわとり牧場から引き湯）を使用している。
夏季など湯温が下がらない場合は、地下水を加水して、温度調節をしている。


「雅叙苑」は全10室中、8室が温泉風呂付き客室となる。
しかし、2010年3月以降の改装によって、厳密には露天風呂付き客室が3室、温泉内風呂付き客室が5室となった（2013年6月現在）。


まず一番グレードの高い、特別室離れの「椿」のお風呂リビングは、源泉かけ流しの切石のお風呂。
2012年にリニューアルされ、「お風呂リビング」と称する新提案の客室風呂となった。
これは、そのまま客室の露天風呂を、リビングルームで包み込んだもの。
つまり、露天風呂ではなく内風呂仕様となってしまうが、大きな窓を採用して、開放感はできるだけ露天風呂時代と変わらずとした。
逆に「部屋」としてしまうため、エアコンを設置して、夏でも冬でも快適な温度で湯浴みができ、しかも、床には温泉のパイプを張り巡らせ、冬場には嬉しい床暖房とした。

準特別室とも言える離れ「かぜ」の露天風呂付き客室。
実は、この部屋は、「世界初の露天風呂付き客室」と称される。
昭和53年（1978年）に完成したこの客室は、皆さんご存知のように、現在の旅館業界に、大きな影響を与えた。
つまり、このお風呂が、客室露天風呂の元祖なのである。

「空」「草」も同じく天降川に面する客室露天風呂となっている。

川のせせらぎも、温泉浴には、絶好のBGMとなる。