忘れの里 雅叙苑 宿泊レポート

「忘れの里　雅叙苑」と言えば、部屋に温泉風呂が付いているイメージがあるが、外にも個性的な貸切風呂が用意されている。
すべての湯舟が源泉かけ流しで、自家源泉を使用。
泉質は「ナトリウム・マグネシウム・カルシウム－炭酸水素塩泉」。
重曹成分の働きにより、皮膚表面の皮脂や汚れを洗浄するので、オイリースキンタイプの人には特に爽快感がある。
皮膚病にもいいのはもちろん、女性に嬉しい美肌効果やアレルギー疾患にもいいとされる、極上の泉質なのだ。

男女別浴場である「建湯（たけるゆ）」は、巨石をくり抜いて湯舟にしたもので、野趣満点。
脱衣所と湯舟スペースが、ひとつになっているのも、湯治場の雰囲気があっていい。

「雅叙苑」の温泉は、泉質が同じ37℃と54℃の2本の源泉をブレンドして、適温にし、湯舟に注いでいる。
つまり、加水なしの源泉100％の温泉が体感できるという事だ。

天降川（あもりがわ）沿いにあり、壁面をスダレで覆っているだけのワイルドなお風呂には、2つの湯舟と1つの打たせ湯がある。
入口近くにある手前の湯舟は、「建湯」と同じ、混合泉。

ただし、奥にある打たせ湯は、温度の低い37℃の源泉のみを使っている。

そして、その近くにある湯舟が、少しぬるめの、通称「ラムネ湯」（36℃前後）。
それは、古くからある自然湧出の自噴泉のことで、湯舟の真下から温泉が湧き出ている。
温泉分析をしていないため、正確な泉質はここではご紹介できないが、「建湯」よりも炭酸ガスが多く含まれていることから「純二酸化炭素泉（旧泉質名：純炭酸泉）」と予想される。
その証拠に、入浴した際、体毛に炭酸の泡が付着するのが分かる。
「二酸化炭素泉」は、空気に触れたり、時間が経過すると効能が落ちるものだが、ここでは泉源が湯舟の直下という事もあり、新鮮で理想的な湯浴みができるのだ。
炭酸ガスの無数の気泡が、肌に刺激を与え、毛細血管を拡張させる効果があるため、血液の循環を促進させ、血圧を下げる効果も期待できる。

「打たせラムネ湯」は、シャンプーや石鹸も置いていない。
入浴のみのお風呂なのだ。