自在館 - 施設&温泉(2)-

「自在館」は、国内屈指のラジウム泉の宿として知られている。
正式には、放射能温泉。
1kg中にラドン(ラジウムから生まれる気体)が3ナノキュリー(30×10-10Ci/㎏)以上(8.25マッヘ)含有されている温泉を指す。
違う表現をすれば、30(百億分の1キュリー単位)以上含有。
少し難しい表現となるが、見た目は無色透明で、何ら普通の温泉のようなのだが、そのパワーは凄い。
一般的には、放射能というと人体に害があると思いがちだが、放射能泉は、レントゲン等の放射線量よりずっと少ない量となっている。
放射線は、α線、β線、γ線とあるが、ラドンはα線を放射する。
α線は、β線やγ線と比べて非常に高いエネルギーを持っていながら、紙も通れないほどに透過力が弱い。
それを、入浴によって皮膚(毛穴)から、または鼻や口などの呼吸器で肺から、そして飲泉によって消化器から取り込む事ができる。
ラドンは、カラダに入ってくると、血管を通して全身の細胞を刺激し、活性化させる。
つまり、適度のラドンによる刺激は、新陳代謝を促し、人間の免疫力や自然治癒力に寄与すると考えられている。
これを「ホルミシス効果」と呼び、国内では鳥取の三朝温泉などをはじめ数か所で研究が進められている。

栃尾又温泉 自在館 - 施設&温泉の画像 海外では、オーストリアのバドガシュタイン、ドイツのバーデンバーデンなどが有名だ。
霊泉「したの湯」の源泉湧出口

ちなみに、体内へ入ったラドンの半分は呼気などによって30分でなくなり、その後尿などからほとんどが排出されるという。
最近、原発事故により放射能汚染が話題となっているが、カラダにラドンが蓄積しない「放射能泉」は、まったくの別物と考えていただきたい。

さて、その放射能泉を充分にカラダに浸透させるお風呂を紹介しよう。
まずは、何といっても、ここ「自在館」というより「栃尾又温泉」のシンボル、霊泉「したの湯」から。
地下1階からさらに下へ62段の階段を降りていく。

栃尾又温泉 自在館 - 施設&温泉の画像 階段や床には、感触が柔らかい桐の板を使っている心遣いが嬉しい。
この長いアプローチも、温泉好きにはプレリュード的なものに感じ、カラダに不調を感じる人にとっては、一種のリハビリロードにも見える。
霊泉「したの湯」への階段

到着すると、そこは何とも言えない、昔ながらの雰囲気が漂い、それでいてスピリチュアルな空気も感じる。
浴槽は2つに分かれ、大きい方が加温をしない、源泉そのままの完全なかけ流しのラジウム泉。
湯温は35℃とぬるめ。
小さい方が、あがり湯と呼んでいる40℃程度の熱めの湯。
こちらは、循環加温をしている。

栃尾又温泉 自在館 - 施設&温泉の画像
霊泉「したの湯」

源泉はこのお風呂の真下にある。
つまり、自然湧出の新鮮な温泉が、そのままこの湯舟に注がれているのだ。
源泉名は「栃尾又1号」。
ラドン含有量は、185×10-10Ci/㎏(18.5ナノキュリー)。 50.9マッヘ。
「放射能泉」の定義の基準値の、なんと6倍以上。
栃尾又温泉は、国内屈指のラジウム泉と称される所以である。

特徴的なのは、入浴方法。
このぬるめのラジウム温泉に1~3時間と長時間浸り、最後にあがり湯で温まって終えるのがそれ。
栃尾又温泉では、古くからこれを「長湯」と呼び、現代に伝えているという。
また、長湯できるという事は、それだけ温泉に触れている時間が長いという事。
長時間、湯の浮力によって、筋肉や関節にも影響を与え、筋肉痛や神経痛にも改善が見られる。
ぬる湯だから高血圧の方にもいい。
さらに、切り傷、やけど、皮膚病、アトピーなどにもいいだろう。
pH8.6のアルカリ性の湯は、肌の古い角質や皮脂を、溶かして落としてくれる。
美肌効果も確実にあるだろう。

常連客は、目をつむり、まさに瞑想をしているが如く、湯に浸かっている。
それは、修行僧にも見えなくもない。
どこかカラダの悪いところを治そうと来ている客も多いのだ。
「自在館」は、観光目的のレジャー温泉施設ではなく、「静養を目的とした湯治宿」という事を心に留めておいていただきたい。
ラジウム泉は、飲用すると、痛風、胆石症、慢性胆のう炎、慢性消化器症などにいいとされる。

栃尾又温泉 自在館 - 施設&温泉の画像


前述のように、放射能温泉は、浴用だけでなく、吸入、飲泉によって、素晴らしい温泉の恩恵を受けることができる。効能の幅が広い事から「万病の湯」と呼ばれることもある。
ただ、ラドンはすぐに空気中に放出されてしまうので取り扱いが非情に難しい。
しかし、この湯舟は、源泉井戸が湯舟の真下で、しかも源泉かけ流し。
ただ、冬場は多少泉温が下がるため、温泉が劣化しないよう、湯船の底に這わせた塩ビ管の中に温めた不凍液を流しこんで、適温までじんわり温めているのだ。
代々湯守が試行錯誤した結果辿り着いた、まさに絶好の環境の中の温泉と言えるだろう。

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自在館 宿泊レポート


コラム
コラム

「栃尾又温泉」は、湯之谷温泉郷最古のいで湯と言われ、開湯は8世紀前半(1250年以上前)と伝えられている。いくつかの開湯伝説が残っており、そのうちの一つが、奈良時代の高僧・行基(668~749年)の開湯伝説......

貸切&客室露天 レポート
貸切&客室露天 レポート

「自在館」は、ラジウム泉、秘湯の宿・・・などのイメージで、年配のお客が多いイメージがある。しかし、渓流沿いに設えた貸切露天風呂「うけづの湯」の存在が、若い客層に強烈にアピールしている.....

施設&温泉  レポート
施設&温泉 レポート

新潟県栃尾又温泉は、高速道路でいえば、関越自動車道の小出IC下車、約20分。上越新幹線ならば、浦佐駅下車、タクシーで40分。在来線の上越線乗換で小出駅からバス35分(タクシー25分)。上越新幹線の浦佐駅であれば、予約制で無料送迎も行っている.....

客室 レポート
客室 レポート

「自在館」の客室数は全部で28室。うち、本館が23室。木造3階建ての「大正棟(旧館)」が5室。メインとなる本館の客室は、5タイプ。おひとり様歓迎の自在館では、「トイレなし和室(6畳)」タイプは「おひとり様専用」となっている。1室を除いて、湯の沢川か薬師堂に面しているので、窓の外に自然を間近に感じられ、新緑・紅葉・雪景色.....

料理 レポート
料理 レポート

万病の湯とも云われる「ラジウム温泉」の宿とあって、古より湯治宿として人々の健康を支えてきた「自在館」の食事は「心と体に優しいごはん」がテーマ.....

おまけ レポート
おまけ

宿の隣りには、江戸時代中期に建立されたという「栃尾又薬師堂」がある。昔から、湯治客は、医者の神様でもある薬師様に、悪いところが治るように祈願しているという.....

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この宿のキーワード
国内屈指の放射能泉は免疫力アップに貢献
渓谷美を愛でる源泉かけ流しの貸切露天
瞑想してぬる湯で体感する霊泉したの湯
昔話に出てきそうな鄙びた山のいで湯
じっくり焼き上げた岩魚の炭火焼が絶品
こんな人はOK
歴史ある佇まいにノスタルジーを感じる方
体の不調を治すため極上の放射能泉を体感したい方
こんな人はNG
VIP待遇を求め、お客様は神様・・・を主張する方
ぬる湯の温泉に長湯する・・・のが苦手な人

自在館 基本情報

宿泊情報

IN 15:00 ※お風呂や食堂(12:30~13:30頃)の利用は、13:00チェックイン可
OUT 11:00
カード使用 可(VISA、Mastercard)
部屋の眺望 山、渓谷、渓流
部屋食 なし
夕食の内容 郷土料理をベースにした湯治食
朝食の内容 和定食

宿泊料金 ※料金は1室2名様宿泊時の1名様分 (税別)

公式HPネット予約特典 【ベストレート(最低価格)保証】
公式HPからの予約が一番お得な料金になっております。

【特典】
・自在館ポイントを貯めて1万円割引き
・2泊目以降お一人様1000円プランより割引き
・「次回お楽しみクーポン」くじ引きあり
お得なプラン 連泊割引プラン、お食事控えめプラン、座禅体験プラン、プチファスティングプランなど、詳細は公式をチェック★
本館トイレ付 和室2間ベッドタイプ(特別室「せいらん」) ¥19,470~
踏込+和室(12.5畳)+副室(4畳)+ベッドR(10畳)+洗面+トイレ(定員2~4名)
本館トイレ付 和室2間 ¥18,370~
踏込+和室(4畳)+和室(8畳)+広縁+洗面(定員2~3名)
本館トイレ付 和室ベッドタイプ ¥18,370~
踏込+和室(8畳)+洗面+洗浄機付きトイレ(定員1~2名)
本館トイレ付 和室 ¥17,270~
踏込+和室(8畳)+洗面+トイレ(定員1~2名)
本館トイレなし《おひとり様専用》 ¥15,070~
踏込+和室(6畳)+洗面※無しの部屋もあり(定員1名)
大正棟 和室( ¥10,800~
和室(6~9.5畳) or 和室二間(6畳+6畳)(定員2名)

施設情報

創業/改築 創業:1600年頃(慶長年間)/改築:令和4年(2022年)
部屋数 全28室(本館23室/旧館5室)
{トイレ付き13室/トイレなし10室/旧館トイレなし5室)
収容人数 65名
貸切風呂 うけづの湯(貸切露天風呂)・・・24時間利用可(45分単位)
うさぎの湯/たぬきの湯(貸切風呂)・・・24時間利用可(45分単位)
予約方法 :予約なし(先着順)
眺望 :川・山・渓谷 ※清掃時間あり。※混雑時は一部の時間帯を男女別浴場にする場合あり。
大浴場・他 ●男女別大浴場「うえの湯」・・・近代的な温泉施設。
 利用時間は5:00~23:00※1日ごとに男女別の入れ替えあり
●男女別大浴場「したの湯」・・・渓流沿いの昔ながらの湯舟。
 利用時間は5:00~23:00※1日ごとに男女別の入れ替えあり
●男女別大浴場「おくの湯」・・・渓流沿いの新しい施設。石造りの湯舟。
駐車場 20台
ペット 不可(盲導犬、補助犬は可) 
バリアフリー 非対応
エステ・マッサージ エステなしマッサージあり:4,000円/40分(施術受付時間:20:00~22:00 ※前日までに電話にて要予約。)
インターネット 無線LAN(Wi-Fi):ADSL ※地下及び本館奥の木造タイプを除き全館対応
DVD なし
TVチャンネル 地デジ、BS
施設 食堂・ラウンジ・ライブラリー・コインランドリー・売店・薬師堂・囲炉裏小屋
冷蔵庫のシステム 空の冷蔵庫の場合・・・持ち込みOK
ドリンクの入った冷蔵庫の場合・・・利用した分だけ申告
冷蔵庫のドリンク:あり
自動販売機 ジュースあり
売店 アイスあり
浴衣 バスタオル
タオル 石鹸
ボディソープ シャンプー
コンディショナー リンスinシャンプー
シャワーキャップ 歯ブラシ
ドライヤー ブラシ
くし カミソリ
綿棒 洗浄機付きトイレ

その他サービス・レンタル情報

車いす なし
お子様 子供用浴衣、子ども用食器、離乳食、子供用スリッパ
外国語

おまけ情報

オススメお土産 ・栃尾又温泉ラジウム納豆
・魚沼コシヒカリ
近くのコンビニ 車で25分
携帯アンテナ ◎docomo ◎au ×softbank

貸切利用

料金
利用時間
※食事付きプラン(要予約)
料金
食事の内容
設定日
受付時間
その他

男女別利用

料金 ¥1,100/1名
利用時間 11:00~13:00 ※受付12:00まで
※7日前~前日までに要予約(混雑する日は日帰り受付無しの場合あり)
その他 定休日:土曜休前日・その他宿指定の特定日(正月、GW、お盆、SW、三連休など)
※受付人数制限有 ※清掃時間あり
※立ち寄り湯の場合は、休憩所利用、昼食提供なし。

自在館 温泉情報

泉質 ①単純放射能泉(低張性 アルカリ性 温泉)・・・「うえの湯」「したの湯」「おくの湯」 Rn(ラドン)含有量 185×10-10Ci/㎏(50.9マッヘ) ②単純放射能泉(低張性 弱アルカリ性 低温泉)・・・「うさぎの湯」「たぬきの湯」「うけづの湯」 Rn(ラドン)含有量 155×10-10Ci/㎏(35.9マッヘ)
源泉の温度 ①35.4℃
②28.5℃
湧出量 ①101リットル/分
②77リットル/分
水素イオン ①8.6pH
②7.9pH
溶存物質総量(ガスを除く) ①264mg/kg
②226.6mg/kg
源泉の湧出状況 ※源泉の本数:2本
①3旅館で管理している源泉「栃尾又1号」
②自家源泉で自然湧出「栃尾又自在館1号」
加水/循環ろ過 加水なしの源泉100%かけ流し
※ただし、「うえの湯」「したの湯」「おくの湯」の上がり湯(高温の湯)は循環加温
加温 あり(塩ビ管に温めた不凍液を流しこみ、湯船の底に這わせてじんわり温めている。)
消毒 「うえの湯」「したの湯」「おくの湯」の上がり湯(高温の湯)のみ塩素消毒
浴槽の湯の入替 「うえの湯」「したの湯」・・・2日に1回
「たぬきの湯」「うさぎの湯」・・・2日に1回
貸切露天風呂「うけづの湯」・・・毎日
入浴剤 不使用
泉質別適応症(平成26年7月1日改定) 高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎など
浴用の一般的適応症(平成26年7月1日改定) 筋肉若しくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり
( 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、 神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期 )、
運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、 末梢循環障害、胃腸機能の低下
( 胃がもたれる、腸にガスがたまるなど )、 軽症高血圧、 耐糖能異常 ( 糖尿病 )、
軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、
ストレスによる諸症状 ( 睡眠障害、 うつ状態など )、病後回復期、疲労回復、健康増進
湯の色 無色透明
飲用
飲用の適応症
におい/味 無味無臭
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自在館 交通アクセス&周辺情報

交通アクセス

電車 JR上越線小出駅より栃尾又温泉行きバス30分(終点下車)
送迎 要予約上越新幹線・浦佐駅より送迎あり(前日までに要予約)
浦佐駅お迎え時間:13:45頃、お送り時間:12:30頃出発
クルマ 関越自動車道小出ICから国道352号線で約20分

周辺情報

周辺観光スポット 尾瀬、駒ヶ岳、奥只見湖、銀山平、永林寺、重要文化財「目黒邸」
レクリエーション(観光農園、公園など) トミオカホワイト美術館(4~11月開館)、池田記念美術館、越後ゆきくら館、越後ワイナリー、ゆのたに手作り村 心亭
スポーツ
スタッフより 自在館:社長 星雅彦さんからのコメント

ぬる目のラジウム温泉に、ゆっくりと長湯してください。疲れたカラダが活性化していくのが分かるはずです。
取材日 2011/12/05
一部情報更新日 2023/08/31

※予約問合せの際は、必ず「貸切温泉どっとこむ」を見たと言ってください。

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この宿の記事制作者

温泉コム株式会社 代表取締役

30年以上前から、全国の温泉宿をまわり続け、「貸切風呂」の必要性を宿主に説いていた。 今でも、一年の半分を温泉宿で過ごす旅人でもある。 コラムニスト、カメラマン、ドローンパイロットの他に、ホームページのデザイン、コンサルタント業務もこなす。

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