お宿 だいろく - コラム~総括(1)-
1980年(昭和55年)に創業した「お宿 だいろく」の前身は、割烹料理「大六」。
弥彦温泉の神社通りに今も数軒ある観光客向けの割烹食堂の草分け的な存在だった。
神田六蔵さんが経営していたこの料理屋を、息子である睦夫さんが旅館として生まれ変わらせた。
6部屋だけの小さな宿だったが、弥彦駅から歩いて来れる便の良さがあり、彌彦神社にも近く、料理の評判も上々。経営的には順調なスタートを切った。
1985年(昭和60年)には5階建てに改築し、現在に続いている。
1955年(昭和30年)頃の割烹料理「大六」の写真を使用したポスター |
現社長は、2008年(平成20年)に代表取締役となった神田雅仁さん(1967年生)。
3人兄弟の真ん中で次男である。
子どもの時から、割烹食堂をしている両親の姿を見ていて、「自分は洋食の店を持つのが夢だった」という雅仁さん。
調理師学校を卒業した後、洋食レストランで修行をはじめる。
数年腕を磨いてから、宿に戻り、仕事を手伝いながら、近くで店をやろうと土地を探していた。
その頃、この宿には雅仁さんの一つ上の兄が次期オーナーとして奮闘していた。
浦安のヒルトンホテルで接客業を学んだという雅仁さんの兄は、「ちょっと他の宿にないサービスをすれば、東京の人間が呼べる」と考え、様々なアイデアを実行する。
まずは、宿の館内を全て畳敷きにし、和の癒しの空間に生まれ変わらせた。
さらに、大浴場の他に、露天風呂を作ろうとするが、それほど広いスペースが確保できなかったという。
そこで、貸切露天風呂を誕生させる。
貸切露天風呂は、今では珍しいものではないが、1994年(平成6年)当時としては非常にインパクトがある施設だった。先見の明があったのだろう。
弥彦温泉や隣りの岩室温泉を含めて、貸切露天風呂はここが最初で、多いにお客を喜ばせた。
周辺でも話題となり、次々に他の旅館でも取り入れたという。
しかし、その頃「お宿 だいろく」に突然の不幸が襲う。
雅仁さんの兄が白血病により急逝してしまったのだ。32歳の早すぎる死であった。
実弟の雅仁さんはもちろん、実の父である睦夫さん(当時社長)もショックは大きかった。
雅仁さんはそんな父の姿を見て、レストランを開くという自分の夢をあきらめ、「お宿だいろく」を盛り立てていこうと決心したのだ。
それからはオーナーである父、母(女将)、妻(若女将)、妹と家族一丸で、宿を盛り立ててきた。
畳敷きの館内と貸切露天風呂、この2つの施設は、兄の形見とも言えるもので、これらがこの宿を守ってくれているようにも、雅仁さんは感じたという。
お土産で置いてあった根付けや鳥の置き物は、その兄の奥さんが手作りしている物。
弥彦を離れて暮らしている今でも、夫が愛したこの宿のために、心を込めて作り続けているのだという。
兄の遺志を継ぎ、社長となった雅仁さんは、常に洋食の腕を磨き続け、夕食の水菓子は自ら作っているという。
さらには、利き酒師の資格も取得している。
これは日本酒版のソムリエで、どんな料理にどんな日本酒が合うかアドバイスできるのだ。
また食べ歩きや写真も趣味で、公式HPには“宿主の徒然日記”というブログをアップしている。弥彦温泉のイベント情報なども得られるので要チェックである。
雅仁さんの奥さんは京都出身で、英語ができる国際派の若女将。仲のいい二人の雰囲気が、この宿の温かい空気を作り出しているのは間違いない。
お宿 だいろく 宿泊レポート
この宿のキーワード | |||
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無料で楽しめる桶型の貸切露天風呂 | |||
冬には一面の銀世界が独占できる客室露天 | |||
全館畳敷きの和の癒し空間 | |||
極上のコシヒカリと地酒を堪能 | |||
巨大な大鳥居で有名な彌彦神社 | |||
こんな人はOK | |||
・伝統的な和風旅館が好きな方 ・素材にこだわった和食が好きな方 |
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こんな人はNG | |||
・いたれりつくせりのサービスを求める方 ・湯の花たっぷりの温泉が好きな方 |
IN | 15:00 | ||
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OUT | 10:00 | ||
カード使用 | 可 | ||
部屋の眺望 | 山、温泉街 | ||
部屋食 | 一部あり 夕食:個室食事処または部屋食/朝食:朝食処 |
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夕食の内容 | 海の幸中心の京風会席 | ||
朝食の内容 | 和定食とミニバイキング |
公式HPネット予約特典 | ・特別謝恩券プレゼント(対象プラン2名様以上で総額より2000円割引 or 大人1名500円割引) ・コーヒー券進呈 |
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お得なプラン | 平日限定プラン、謝恩券付きプラン、学生限定卒業旅行プランなど詳細は公式をチェック★ | ||
露天風呂付き客室 特別和室「神倉」 | ¥25,300~ 12畳和室+茶室+化粧室+露天風呂(定員5名) |
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基準和室 | ¥14,300~ 10畳和室+トイレ(定員5名) |
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その他 | 特別和室(12畳~15畳)、ベッド付き客室(20畳)、和室ツイン(10畳)、グループルーム(24畳) 詳細は公式HPへ |
創業/改築 | 創業:1980年(昭和55年)/改築:1985年(昭和60年)/改装:1994年(平成6年) | ||
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部屋数 | 和13室(バストイレ付き5室/トイレ付き8室)・・・うち、露天風呂付客室×1室 | ||
収容人数 | 80名 | ||
貸切風呂 | 貸切露天風呂×1 料金 :宿泊の場合 無料 利用時間 :7:00~22:00まで 予約方法 :フロントに要予約 眺望 :温泉街 |
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大浴場・他 | 男女別大浴場(男女の入れ替えなし) 利用時間:24時間 |
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駐車場 | 15台 | ||
ペット | 不可 | ||
バリアフリー | 一部対応(階段、通路手すり) | ||
エステ・マッサージ | ・エステ:なし ・マッサージ:あり(¥4,400/40分) |
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インターネット | 1Fロビーのみ無料Wi-Fi可 | ||
DVD | なし | ||
TVチャンネル | 地上波、BS | ||
施設 | カラオケ(宴会場)、個室食事処、売店 | ||
冷蔵庫のシステム | 利用した分だけ申告(持ち込みのドリンクを入れるスペースあり/冷凍室なし) 冷蔵庫のドリンク:ビール中瓶、日本酒、ジュースなど |
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自動販売機 | ジュース | ||
売店 | あり |
浴衣 | ◎ | バスタオル | ◎ |
タオル | ◎ | 石鹸 | ◎ |
ボディソープ | ◎ | シャンプー | ◎ |
コンディショナー | ◎ | リンスinシャンプー | ◎ |
シャワーキャップ | △ | 歯ブラシ | ◎ |
ドライヤー | ◎ | ブラシ | ◎ |
くし | ◎ | カミソリ | ◎ |
綿棒 | ◎ | 洗浄機付きトイレ | ◎ |
車いす | 無料貸し出し用車椅子(予約) | ||
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お子様 | 子ども用浴衣/離乳食の用意/子ども用食器/粉ミルク用のお湯/おねしょシーツ/おしめ用ゴミ袋 /アイスノン/体温計 | ||
外国語 | 英語 |
オススメお土産 | 伊彌彦米、やひこじぇらーと、地元のお菓子 | ||
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近くのコンビニ | 車で2分 | ||
携帯アンテナ | ◎docomo | ◎au | ◎softbank |
料金 | - | ||
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利用時間 | - | ||
※食事付きプラン(要予約) | |||
料金 | ¥6,600/8,800/11,000 ※料理のグレードで変わる。 | ||
食事の内容 | 会席料理 | ||
設定日 | 毎日(満室の場合は不可) | ||
受付時間 | ・昼11:00~15:00 ・夜16:00~21:00 |
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その他 | ハンドタオル付き(バスタオル・浴衣各220円) |
料金 | - | ||
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利用時間 | - | ||
その他 | - |
電車 | 燕三条駅から弥彦線で約20分~弥彦駅から徒歩8分 東京→燕三条(約2時間) |
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送迎 | 要予約 | ||
クルマ | 三条燕ICから国道289号線経由で約15km、または巻潟東ICから国道116号線経由で約15km 東京から約285km、仙台から約290km、長野から約175km |
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周辺観光スポット | 彌彦神社、弥彦山 | ||
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レクリエーション(観光農園、公園など) | 弥彦公園、酒蔵見学 | ||
スポーツ | テニス、ゴルフ、トレッキングロード | ||
スタッフより | 代表取締役 神田雅仁さんからのコメント お酒が好きな方はご満足いただけると思います。 女性には手作りのデザートが好評です。レシピは私のブログでときどき紹介しますので、公式HPにアクセスしてみて下さい。 |
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取材日 | 2009/06/22 | ||
一部情報更新日 | 2023/09/11 | ||
※予約問合せの際は、必ず「貸切温泉どっとこむ」を見たと言ってください。 |
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この宿の記事制作者
温泉コム株式会社 代表取締役
30年以上前から、全国の温泉宿をまわり続け、「貸切風呂」の必要性を宿主に説いていた。今でも、一年の半分を温泉宿で過ごす旅人でもある。コラムニスト、カメラマン、ドローンパイロットの他に、ホームページのデザイン、コンサルタント業務もこなす。