美ヶ原温泉 旅館すぎもと - コラム~総括(4)-
| 「旅館すぎもと」は、「松軒楼」「清風閣」そして、道路を挟んで食事処のある「泉雲閣」の3棟構成で、木造3階建ての建物。 客室棟である「松軒楼」「清風閣」にも、エレベーターは無い。 足腰の弱い方には、この宿は向かないだろう。 | ||
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厨房から遠く、料理の鮮度を落としてしまう部屋食は一切していない。 すべて食事処のある「泉雲閣」でいただくことになる。 その出される料理も、酒肴料理と呼ばれる、お酒に合う献立。 ウーロン茶でいただく料理ではない。 | |
| 「松軒楼」のロビーより | ||
| お客様アンケートや、ネットの予約サイトのクチコミ情報にビクビクしている宿からすれば、こんな個性的な宿はどんな風に映るだろう。 旅館ホテルで、クチコミの評価が高いところは、当たり障りの無いサービスを施し、没個性なところが多い。 万人に受ける宿などあり得ないのに、あらゆる客層に満足してもらおうと、不毛な努力をしたりする。 客に媚びへつらい、奴隷のように接客する宿泊施設は、この不況のさ中、増えてきたような気もする。 その反動で、宿に出入りする業者などには、これでもかと値下げを要求したり、無理難題を仕掛ける宿も増えてきた。 無理な接客、過剰なまでのサービスで、余裕がなくなってきたのだろう。 しかし、この「旅館すぎもと」には、そういったものが全く感じられない。 余裕とは違うだろうが、泰然自若というか、本当に地に足がついているといった、ブレていないといった印象。 これだけ、こだわりを持つ宿は、お店もそうだが、頑固おやじがいて、「気に入らなかったら帰っていいよ」的な横柄さが垣間見られることが多い。 ところが、この宿はそれがない。 逆に、これほど主張しているのにも関わらず、なんとも低姿勢、腰が低いのだ。 「人柄がいい」という言葉があるが、この「旅館すぎもと」には「宿柄がいい」と言うべきか。 少し前に漫画が原作の「20世紀少年」という映画を観る機会があった。 小学生の頃に、空き地の原っぱに秘密基地を作り、隠れ家で遊ぶシーンがあった。 |
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花岡貞夫さんは、おそらく、少年時代同じような遊びをしたのかもしれない。 そうでなければ、ツリーハウスや、客室の天井を改造した隠れロフトなど、造りはしないだろう。 「秘密基地 大和」という名のフリースペースもあるし・・・。 | |
| ツリーハウス「登夢創屋」 | ||
| 「旅館すぎもと」は、その館内に満ち溢れている"粋"がわかる人には、これほど魅力的なお宿はない。 この宿に泊まる人の条件は、やはりお酒が好きな人でなければ・ ・・と個人的には思う。 居酒屋料理とも評される夕食は、よくある旅館料理とは一線を画する。 つまり、料理のことだけで言えば"大人"限定の宿とも言えるはずだ。 何も旅館は万人に評価されるサービスを提供する必要は無い。 |
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特に小さな宿は、その宿ならではの"こだわり"をアピールする事が不可欠だ。 小さな宿が好きな客は、その"こだわり"の世界に入りたいがため、宿泊の予約をするのだ。 その点、この宿はその"こだわり"が館内に散りばめられている。 | |
| スイートルーム「女鳥羽の間」より | ||
| 「旅館すぎもと」は、一見、古い典型的な宿と思いきや、これからの温泉旅館の在り方を、プレゼンしているような気もしてきた。 インターネットだ、マーケティングだ、宿泊プランはどうだ・・・などと毎日考えるのではなく、常に「個性」というものを大事にし、「本物」をお客に提供し続けていれば、「客が客を呼んでくれる」のである。 「類は友を呼ぶ」という諺があるが、「旅館すぎもと」ファンが、同じ趣味嗜好を持つ友人に、この宿を紹介するといった流れだ。 これこそ、最強のマーケティングであるし、小規模旅館の生き残る道でもあるのだ。 手打ちの十割蕎麦ひとつとっても、蕎麦粉と水の組み合わせでだけで、何故ここまでの絶品の蕎麦を作ることができるのか ・・・と感動すら覚える。 それは少し大げさかもしれないが、人によっては芸術とさえ思えるかもしれない。 花岡貞夫という類まれな粋人が営む宿が、この信州、いや日本にあることを感謝したい。 そして、男という生き物は「ロマンチスト」なのだという事も再認識させてくれた。 |
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| 安曇野~蓼川と水車小屋 | ||
美ヶ原温泉 旅館すぎもと 宿泊レポート
コラム
美ヶ原温泉の歴史は古く、開湯はなんと奈良時代にまで遡る。 日本人ならば、歴史の授業で一度はその名を聞いたことがあるだろう「日本書紀」には、こう記されている。 ・・・信濃の国司が都に滞在していた折、都で大流行した疫病にまったく掛からなかった。 その理由が束間の湯(現在の美ヶ原温泉)のおかげではないかと考えた天武天皇が、行幸するために三野王に信濃の国の地形図を献上させたことが記されている。 また、平安時代の歌人、......
施設&温泉 レポート
白い壁と黒い柱。 日本建築の美を感じさせるその堂々とした佇まいは、風情のある木造三階建の建物。 大正14年大火で焼失後、昭和8年6月20日に建てられた時に植樹された赤松も聳え立っている。 この赤松は.....
| この宿のキーワード | |||
|---|---|---|---|
| 奈良時代開湯・美肌効果のアルカリ性単純温泉 | |||
| 音楽と松本民芸とアンティークに包まれた空間 | |||
| 遊び心満載のツリーハウスと貸切風呂 | |||
| 名物オーナー料理長が作る極上の酒肴料理 | |||
| 1日10名限定!伝説の水打ち十割蕎麦 | |||
| こんな人はOK | |||
| 美味しいお酒とそれに合う料理を愉しみたい方 少年の頃の遊び心を理解できる大人(ロマンチスト)な方 |
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| こんな人はNG | |||
| よくある普通の旅館料理が好きな方 部屋食希望やエレベータがないと困る方 |
| IN | 15:00 | ||
|---|---|---|---|
| OUT | 10:00 | ||
| カード使用 | 可(JCB/VISA/マスター/AMEX/UC/DC/NICOS/セゾン/デビットカードなど) | ||
| 部屋の眺望 | 山、庭園 | ||
| 部屋食 | なし | ||
| 夕食の内容 | 館主が作る「束間野会席」 | ||
| 朝食の内容 | 和食膳 | ||
| 公式HPネット予約特典 | 【ベストレート(最低価格)保証】 公式HPからの予約が一番お得な料金になっております。 | ||
|---|---|---|---|
| お得なプラン | 【HP限定】国産A5ランク和牛の石火焼プラン、旬の味覚「束間野会席」プラン、館主厳選!信州山ごはん&山の酒9点セツト付きプラン、早期割30プランなど、お得なプランの詳細は公式をチェック★ | ||
| 奥座敷風和室・ダブルベッド 「鉢伏(はちぶせ)」 (定員1~2名) |
¥18,500~ ※6帖+板の間+T(ダブルベッド) |
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| 奥座敷風和室 「常念(じょうねん)」 (定員1~4名) |
¥22,000~ ※10帖+板の間+BT ※民家の奥座敷をイメージした純和風のお部屋 |
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| 民芸調和室 「楓(かえで)」 (定員1~5名) |
¥22,000円 ~ ※12帖+板の間+BT ※民家の奥座敷をイメージした民芸調のお部屋 |
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| 民芸調和室・ツインベッド 「乗鞍(のりくら)」 (定員1~3名) |
¥22,000~ ※和室8帖(ツインベッド)+リビング8帖+T |
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| 囲炉裏付き和室 「欅(けやき)」 (定員4~6名) |
¥20,000~ ※8帖+8帖板の間(囲炉裏)+10帖板の間 ※4名利用時の1名様料金 |
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| 隠れ家ロフト付き和室 「束間(つかま)」 (定員1~5名) |
¥24,500~ ※10帖+板の間+ロフト+檜風呂+T ※オーディオ付き |
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| 隠れ家ツイン洋室 アルプス (定員1~2名) |
¥24,500~ ※ツインベッドルーム+ネコ足のバスタブ+T ※オーディオ付き |
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| ロフト付き和洋室スイート 「女鳥羽(めとば)」 (定員1~4名) |
¥27,000~ ※リビング(オーディオルーム)+8帖和室+ベッドルーム(6帖)+次の間(3帖)+広縁(3帖)+ロフト+シャワーブース+T ※オーディオ付き |
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| 創業/改築 | 創業:1868年(明治元年)/改築:1992年(平成4年)/改装:1998年(平成10年) | ||
|---|---|---|---|
| 部屋数 | 全17室 | ||
| 収容人数 | 60名 | ||
| 貸切風呂 | 宿泊の場合 ●檜の貸切風呂・・・無料 利用時間:24H利用可 予約方法:予約なし(先着順) ●貸切風呂「さざれの湯」・・・1組2,000円(税別)/30分 利用時間:15:00~20:30まで。翌朝は7:00~10:00 予約方法:フロントで予約 |
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| 大浴場・他 | 男女別大浴場あり(男女入れ替えなし) ※女湯にはミストサウナあり | ||
| 駐車場 | 40台 | ||
| ペット | 不可 | ||
| バリアフリー | 非対応 | ||
| エステ・マッサージ | エステ:なし マッサージ:あり(¥4,000・税別/40分) |
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| インターネット | 全館Wi-Fi対応 | ||
| DVD | なし | ||
| TVチャンネル | NHK2局 NHKBS2局 民放10局 | ||
| 施設 | バー・談話室・足湯・ツリーハウス・宴会場 | ||
| 冷蔵庫のシステム | 利用した分だけ申告(持ち込みのドリンクを入れるスペースあり/冷凍室あり) 冷蔵庫のドリンク:中瓶ビール、生酒、ジュース |
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| 自動販売機 | あり | ||
| 売店 | あり | ||
| 浴衣 | ◎ | バスタオル | ◎ |
| タオル | ◎ | 石鹸 | ◎ |
| ボディソープ | ◎ | シャンプー | ◎ |
| コンディショナー | ◎ | リンスinシャンプー | ◎ |
| シャワーキャップ | ◎ | 歯ブラシ | ◎ |
| ドライヤー | ◎ | ブラシ | ◎ |
| くし | ◎ | カミソリ | ◎ |
| 綿棒 | ◎ | 洗浄機付きトイレ | ◎ |
| 車いす | なし | ||
|---|---|---|---|
| お子様 | 子ども用食器、子供用スリッパ | ||
| 外国語 | 英語 | ||
| レンタルサービス | ― | ||
|---|---|---|---|
| オススメお土産 | サンふじ100%リンゴジュース | ||
| 近くのコンビニ | 徒歩で10分 | ||
| 携帯アンテナ | ◎docomo | ◎au | ◎softbank |
| 料金 | - | ||
|---|---|---|---|
| 利用時間 | - | ||
| ※食事付きプラン(要予約) | |||
| 料金 | - | ||
| 食事の内容 | - | ||
| 設定日 | - | ||
| 受付時間 | - | ||
| その他 | - | ||
| 料金 | - | ||
|---|---|---|---|
| 利用時間 | - | ||
| その他 | - | ||
| 泉質 | アルカリ性単純温泉(低張性 アルカリ性 温泉) | ||
|---|---|---|---|
| 源泉の温度 | 42℃ (第2源泉39.9℃と第3源泉45.4℃と第4源泉44.3℃の混合) | ||
| 湧出量 | 29.3リットル/分(使用量) | ||
| 水素イオン | pH8.7 | ||
| 溶存物質総量(ガスを除く) | - | ||
| 源泉の湧出状況 | 旅館組合(7軒の宿)で管理(第2源泉/第3源泉/第4源泉) ※第2源泉(pH8.7 湧出量27.7リットル/分、泉温39.9℃)は、「旅館すぎもと」敷地内の「束間の湯」源泉。 | ||
| 加水/循環ろ過 | ●男女別大浴場+露天風呂と貸切風呂「さざれの湯」は、源泉かけ流し+循環ろ過の併用。 ●檜の貸切風呂は、源泉100%かけ流し。 |
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| 加温 | なし | ||
| 消毒 | あり | ||
| 浴槽の湯の入替 | 大浴場・・・月に1回 檜の貸切風呂・・・毎日 貸切風呂「さざれの湯」・・・4日に1回 |
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| 入浴剤 | 未使用 | ||
| 泉質別適応症(平成26年7月1日改定) | 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進 | ||
| 浴用の一般的適応症(平成26年7月1日改定) | 筋肉若しくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり ( 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、 神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期 )、 運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、 末梢循環障害、胃腸機能の低下 ( 胃がもたれる、腸にガスがたまるなど )、 軽症高血圧、 耐糖能異常 ( 糖尿病 )、 軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、 ストレスによる諸症状 ( 睡眠障害、 うつ状態など )、病後回復期、疲労回復、健康増進 |
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| 湯の色 | 無色透明 | ||
| 飲用 | 可 | ||
| 飲用の適応症 | ― | ||
| におい/味 | 無味無臭 | ||
| 電車 | JR中央線松本駅よりタクシーで15分 路線バス(松本駅前バスターミナルより「美ヶ原温泉行き」・約17分) | ||
|---|---|---|---|
| 送迎 | なし | ||
| クルマ | 長野自動車道松本ICより東に7km 松本空港よりタクシー 所要時間約45分、料金目安約5000円~ |
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| 周辺観光スポット | 松本城(車で20分)、旧開智学校(車で20分)、松本市美術館(車で20分)、安曇野(車で30分)、美ヶ原高原美術館(車で60分)、ビーナスラインなど | ||
|---|---|---|---|
| レクリエーション(観光農園、公園など) | 美ヶ原高原(車で60分)、上高地(車で約2時間)、乗鞍高原(車で約2時間)、乗鞍岳、槍ヶ岳・穂高岳など | ||
| スポーツ | 浅間温泉国際スケートセンター(車で2時間30分)、サッカー場、テニスコート、野球場 | ||
| スタッフより | 館主・花岡貞夫さんからのコメント 私がモノを選び、私が料理を作り、私の感性で成り立っている小さな旅館です。 「オヤジ旅館」ですが、ぜひお出かけください。 |
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| 取材日 | 2008/1月 | ||
| 一部情報更新日 | 2025/10/03 | ||
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※予約問合せの際は、必ず「貸切温泉どっとこむ」を見たと言ってください。 |
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Socials
この宿の記事制作者

温泉コム株式会社 代表取締役
30年以上前から、全国の温泉宿をまわり続け、「貸切風呂」の必要性を宿主に説いていた。 今でも、一年の半分を温泉宿で過ごす旅人でもある。 コラムニスト、カメラマン、ドローンパイロットの他に、ホームページのデザイン、コンサルタント業務もこなす。












