「別邸 はる樹」は、同じ別府にある「割烹旅館 関屋」の4代目にあたる林太一郎さん(昭和50年4月生まれ)が運営している。
「関屋」は別府タワーと別府湾の近くにある、明治末期創業の老舗旅館。
その古い旅館を継ぐかたわら、新たなチャレンジを試みたのが、この「別邸 はる樹」なのである。
林さんは、ある企業の保養地として利用されていた土地を買い取り、2005年に新たに造ったものだ。
「おばあちゃん子だった」と語るこの林さん。
幼少の頃より旅館という一種の特別な空間に身を置き、様々な分野における良し悪し、流行の推移を肌で感じて来られたのだろう。
含蓄に富んだネーミングや個性のさりげない演出、そして接客における絶妙のバランス感覚は、付け焼刃で学んだだけでは到底無理な事。
現在の傾向では別府の旅館が2号店を開く場合には、人気の湯布院の地を選ぶことが多いという。
だが、あえてまたこの別府の地を選び、珍しい個人志向のお宿造りを進めた。
これは別府の人間として、生まれ育った別府への恩返しなのだそうだ。
客室の窓際に置かれたソファから眺められる、派手ではないが四季の移ろいを感じさせる一片の風景。
日常生活の中ではゆっくりと味わうことの難しくなった、スローな時の流れに身を任せられるための準備が整っている。
のんびりとお部屋で過ごすのも良いが、周囲を散策するのにも便利な立地にあるのがこのお宿。
地獄めぐりなどの観光地も遠くない距離にあるので、足を延ばすのも苦にはならない。
だが、ここではあくせくと観光に次ぐ観光をこなすのではなく、のんびりと、自分の時間を大切に過ごしていただきたい。
脇を流れる春木川沿いには桜が植えられ、遊歩道も整備されており歩きやすい。歩きがてら目に映る光景は、観光地とは隔絶された等身大の"別府"の姿。買い物の途中の主婦や、学校帰りの小学生など、観光地ということを忘れてしまうような、穏やかな光景が広がるのである。
人口も観光客も多い別府という街だから、派手な見所も多い。それだけに、見えにくいところに潜んでいる長所も多いのである。その隠れた魅力を再発見するのに、この小さいお宿が最適の空間を提供してくれることだろう。
この宿は、間違いなく静けさと癒しを宿に求める方にとっては最良の選択になる。
「大人の隠れ宿」と表現するマスコミ関係者が多いが、この宿はそれだけでは表現しきれない魅力を内包しているようだ。
まだ、オープンしたての宿ではあるが、後々、伝統というものを確実に生み出していくような、パワーも感じさせてくれるからだ。
それは、林太一郎さんという、根っからの宿屋稼業を愛している経営者がいればこそ成り立つものだ。
この宿は、一見、ご夫婦・カップルなどの、お二人様専用のイメージもあるが、そうでもない。
標準タイプの「仏の座」(4名定員)を選ぶファミリー層や、2名定員のローベッド仕様の和モダンタイプの客室「菘(すずな)」を選ぶ母娘の組み合わせのお客も多いという。
そして、中高年ご夫婦のリピーター客は、1Fの半露天風呂付き客室を指定する方が多いという。
それは、宿名の通り、「別邸」「別荘」感覚で、この宿を利用しているのだろう。
最後にこの宿を予約する際は、やはり公式HPのネット予約がお得なようだ。
しかも、ここだけのネット予約特典もあるので、ぜひチェックしていただきたい。
(J/eb)