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大分県、天ヶ瀬温泉に「華水」がある。それはたった5室のみの小さな宿なのだが、中身は非常に魅力溢れるコンテンツが内包されていた。
まずは客室だ。和洋室2室、和室3室の構成だが、いずれもセンスのいい内装が施され、それでいてデザイナーズ旅館のような華美な演出は控えられて、なんとも絶妙なバランスを保っている。
まずは、自家源泉の温泉を使っての贅沢なお風呂だ。特に玖珠川沿いにある混浴露天風呂は雰囲気たっぷり。
男女別の脱衣所からそれぞれ同じ湯舟に入るのだが、湯舟の真ん中に配された大きな岩が目隠しとなり、他の客が来ても岩陰に逃げ込むように設計されていた。
これなら混浴が不安な女性でも安心して湯浴みできるはずだ。
その他、貸切風呂5つ、そして足湯も入れると7つのお湯を持つというお風呂の数は圧
巻。
露天風呂からの眺めで、玖珠川の向こう岸に水力発電所があるのも、見方を変えれば風流なものだ。自然の中に人間の作った造形美を見出すのも旅の醍醐味だから。
料理はオーナー自ら包丁を握る。九州から旬の素材を取り寄せ、極上のメニューに仕上げ客に提供する。中でも「佐賀牛寿司」は絶品の味わいだ。
夕食は個室の食事処でいただく。夕食後に客室に戻るとテーブルに保冷剤の入った器にフルーツの盛り合わせが用意されていた。
ラウンジではオーナー自慢のオーディオから常に心地いいジャズが流れ、その中でセルフサービスでコーヒーや飲み物がいただける。
後ほど自分で伝票を書いてチェックアウト時に支払う形式だ。
2階にはマッサージチェアが置かれたコーナーもあり、そのそばにはパソコンが自由に使えるスペースもあった。
この宿には、客はそれぞれに気に入った場所に座り、お気に入りの本を読むなど、ゆったりとした時間を過ごせる空間が用意されている。
それは別荘代わりにこの宿を使う客に対して、常に居心地のいい環境を整えようとのオーナーの考え方に基づいている。
リピーターが客構成の半分以上を占めているという点でも、「華水」という宿の魅力がどれほど高いかお分かりいただけるであろう。
オーナーは「私はお客様の別荘の管理人、または執事みたいなものですよ」と語る。
「温泉」「料理」「空間」と3拍子揃った湯宿はなかなかない。大事な人と過ごすのであれば間違いのない宿と言える。(J) |