夕食は和洋折衷メニューか和食の選択制となっている。
「九州ホテル」は元々外国人観光客をターゲットとした洋風ホテルで創業。
当時はオーナーシェフが洋食を作っていたという。
現在では洋食に和の要素をほどよくブレンドした和洋折衷のコースメニューとなっているが、どちらかというと“洋”に傾いているようだ。
ホテルの歴史をともに刻んできた和洋折衷メニューを一品ずつご紹介しよう(2009年5月取材)。
最初にいただいた前菜は“季節の酒菜あらかると”。
旬の食材を使い、見た目にも鮮やかな前菜は、イカときんぴらごぼう、豚肉のわさびマヨネーズピンクペッパー、“アンディーヴにクリームチーズと高菜を添えて”、にんじんのフランと、和洋織り交ぜての4品。アンディーヴとはチコリーのフランス語名。フランは洋風の茶碗蒸しのこと。
向付は九州ホテルオリジナルの“味菜盛(あじさいもり)”。
マグロ、甘エビ、山芋、イカ、餃子の皮を揚げた物、グレープフルーツ、カイワレなどに特製の胡麻ダレをかけ、サラダ感覚で食す。栄養のバランスもよく、体の元気を促してくれるだろう。
スープは和洋どちらかをチョイスできる。
洋風のスープはすりおろし島原ごぼうのクリームスープ。地元で採れたごぼうの先の細い部位だけを、2時間ほどじっくりと蒸し、すりつぶした風味の深いスープだ。
和のスープがお好みの方は蛤のお吸い物となる。磯の香りが春を感じさせてくれる一品。ワカメや木の芽も入り、さっぱりといただける。
続いては魚料理のチョイス。3品から選ぶことができるが、そのうち一つはグレードアップメニューとなる。
一品目は和洋の調和が取れた長崎産イトヨリの蒸し焼き、あさりとエタリのバターソース。地元のあさり貝をベースにエタリの塩辛を加えたソースで、あっさりとしたイトヨリダイを食す。エタリはカタクチイワシの塩辛で、「食の世界遺産」にも認定された雲仙の特産品である。
二品目は有明海産真鯛、潮仕立てソース。旬のさくら鯛を、そのアラからとった出汁を使ったホワイトソースに、トマトのムースを添え、さっぱりと仕上げた。和の要素を巧みに取り入れ、見た目よりもあっさりとした一品。
三品目はグレードアップメニューとなるあわびのステーキ(プラス1,500円)。肝のソースが素材の旨みをより引き出している。添えられたパプリカ、エリンギ、スナップエンドウが見た目にも美しく、食欲をそそる。
続いての肉料理も3品からのチョイス。うち一つはグレードアップメニューとなる。
まずは長崎名水地鶏と雲仙ポテトのソテー、ガーリックとフォンドヴォーのソース。
「日本名水百選」の地、島原で育った地鶏をガーリックとフォンドヴォーで仕上げた。長崎県は日本で第2位となるじゃがいもの産地。雲仙特産のポテトは地鶏との相性抜群だ。
肉料理もさっぱりといただきたい方にオススメなのが二品目の長崎もみじ豚の西京焼き。
腹が赤いことからその名が付けられたという"もみじ豚"の西京焼きを、水菜、トレビス、ホウレン草、ミニトマトなどたっぷりの生野菜とともに食す。
ラストはグレードアップメニューとなる長崎牛のステーキ(プラス1,800円)。
ほどよくサシの入ったお肉を、山葵、醤油、ステーキソースの3種類の食べ方でいただく。マッシュポテト、トマト、ブロッコリーの揚げ物が添えられる。
食事は風味豊かな竹の子ご飯。お米は長崎県産。味噌汁は湯葉豆腐白味噌仕立て。他に香の物も添えられる。
デザートはココナッツのブランマンジュと苺のアイス。繊細な盛り付けは食べるのが惜しまれるほど。飲物はコーヒーか紅茶をいただく。
以上が今回取材した和洋折衷メニュー。
雲仙のハイカラな歴史を体現しているかのような料理が並ぶ。一品一品のこだわりが垣間見え、味のバランスもレベルの高いものだった。
和食メニューも近海産の魚や、地元の野菜を使った新鮮な料理が並ぶ。和洋折衷メニュー同様、メイン料理をチョイスできるのもうれしい。
このホテルの洋食シェフ、竹田貞明さんは島原半島出身。実家は農家で、この土地の野菜に精通したベテランシェフだ。
料理アドバイザーとして、マスコミにも度々登場する長坂将志氏を迎え、地元の食材をハイカラに仕上げたメニューを日夜考案している。
夕食で和洋折衷メニューを選択した方は伝統あるレストラン「百年ダイニング」へ。
このホテルが無事、創業百年を迎えるようにと、平成11年にリニューアルし、この名が付けられた。
どこかノスタルジックな雰囲気が漂い、このホテルの歴史の重みすら感じられるレストランである。
和食をセレクトしたお客はレストランバー「喋々喃々(ちょうちょうなんなん)」へ。
喋々喃々(ちょうちょうなんなん)とは「男女が仲睦まじく語り合うさま」を意味する四字熟語。そんな言葉どおりに色気ある食事処となっている。
夕食時間が終了するとバータイムとなり、大人の男女が語らう空間となる。
朝食は「百年ダイニング」でのバイキング形式。ご利用時間は7:00〜9:30。和洋様々なメニューをご用意しているのでその一部をご紹介する。
サラダは生野菜、春雨、海草、ポテト、コールスローと、種類豊富。和のおかずはしゃけ、サバ、アジ、カワハギ、かまぼこ、めんたいこ、だし巻き、切干大根、ホウレン草おひたし、温泉玉子、湯豆腐など。島ラッキョウ、海苔のつくだ煮など香の物も多数。
グラハム食パン、クロワッサン、くるみパン、バターロールなどパン派の方にうれしいラインナップ。コーンフレーク、フルーツなど軽めの洋食もご用意。
ビーフカレーやチキンカレーといったメニューもある。飲み物はコーヒー、紅茶、牛乳の他、トマト、パイン、オレンジ、アップルなどの新鮮なジュースもセルフでいただくことができる。
「百年ダイニング」ではランチの営業もしており、宿泊客以外も受け付けている。リーズナブルな料金で上品な洋食がいただけるとのことで、地元の人や日帰りの方にも人気がある。
オススメは名物のビーフカレー。創業90年を越え、伝統を守り続けるこだわりの味。じっくり煮込まれたビーフの旨みも凝縮されている。お値段はサラダ付きで1,000円。