国立公園内の原生林に囲まれた支笏湖は、南東に樽前山、風不死岳(フップシダケ)、北西に恵庭岳を望む日本最北端の不凍湖。
透明度が非常に高いことで有名。
その支笏湖の北岸、恵庭岳の麓に佇む一軒宿が「丸駒温泉旅館」だ。
大正4年に「初代」佐々木初太郎氏が創業した北海道屈指の老舗旅館。
創業のきっかけは、初代が自分の病をこの未開の地で湯治して治したことから始まる。
当時はこの宿までの陸路は無く、船便でお客様を運んでいたという。
その後2代目は、現在の繁盛旅館の礎を作り、多くのファンを持った名物女将・佐々木ヨシヱさんに引き継がれ、現在3代目の金治郎氏がこの宿を支えている。
創業当時と違って、現在は湯治場的な雰囲気はほとんどなくなったが、秘湯イメージと上質な温泉は昔と変わりない。
この宿にある天然の露天風呂を見るとよく分かる。
これは、支笏湖とつながっているため(湯面水位が湖面水位とほぼ同じ)湯量が季節によって湖の水位と共に変わる珍しい露天風呂で、この宿のシンボルでもある。
ちなみに、平成7年には展望露天風呂が完成。こちらは湖面より高台に位置し、展望がすばらしい。
そして、平成16年には貸切風呂もリニューアルした。
自家源泉を6本所有し、しかも泉温も50℃台なので、加水せず加温せずで、100%源泉そのままで湯舟に注がれている。
極上の湯浴みが体感できるはずだ。
客室は、和室+ベッドルームの和洋室4室のほかは、ほとんどが和室となる。
湖側の部屋からの眺めは圧巻だ。
時間により移り変わる支笏湖の情景は、旅の思い出になるはず。
夕食は、お部屋でいただく。
料理は派手さはないが、素朴な北海道ならではの献立が用意されている。
また、囲炉裏会席も宿泊プランにより選択できる。
支笏湖の代表的な淡水魚、姫鱒(チップ)は是非いただきたい。
鮭にも似た赤みはさっぱりとしていて、お刺身か、姿焼きが人気だ。
朝食は和洋バイキングとなる。自家製のパンが美味しい。
旅館所有のクルーザーでの支笏湖遊覧は楽しい。
宿自慢のクルーザー「シェーユングフルン」(湖の乙女)号で 支笏湖一周の爽快なレイク・クルージングはオススメだ。
湖の周りにそびえる風不死岳などの山々、車では行くことのできない奥支笏湖をめぐるコースなど各種遊覧コースがある。
30分一人2,500円。また、貸切で運行もあるらしい。
「丸駒温泉旅館」は、新千歳空港からでも1時間もかからずアクセスできる好立地とも言える。
しかしながら、この秘湯のムードはなかなか本州にはない感覚だ。
本州や道内問わず、リピーターが多い宿としても有名だ。
できる限り、この自然の中で、ずっとこのままでいてほしい、宝石のように大切にしていきたい宿である。(J)