「サン浦島 悠季の里」は、三重県の東部、伊勢湾の入口付近に位置し、中部国際空港セントレアからは車で約150分、最寄りの鳥羽駅からは車で20分ほどの距離にある。
近くにはあの伊勢神宮がある。伊勢神宮は、神社本庁の本宗(ほんそう)とされ、正式名称は単に神宮という。しかし、他の神宮と区別するために伊勢神宮と呼ばれているとの事。
建物は皇大神宮(こうたいじんぐう)と豊受大神宮(とようけだいじんぐう)からなり、皇大神宮は天照大神(あまてらすおおみかみ)、豊受大神宮は豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祭っている。一般的に皇大神宮を内宮(ないくう)、豊受大神宮を外宮(げくう)と呼んでいる。
古代では皇室の氏神として存在していたが、江戸時代の頃から一般庶民にまで親しまれるようになった。
いわゆる"お伊勢参り"(お陰参り)というもので、全国各地から参拝に訪れる人が飛躍的に増えた。
実は参拝は口実で、旅に出て見聞を広める目的はあったろうが、昔も今も伊勢神宮は日本人の心のよりどころとなっているようだ。
伊勢神宮では、本殿などを20年ごとにまったく同じ形で立て直す式年遷宮という行事が行われる。これは、社殿の清浄さを保つため、建築技術や伝統工芸の伝承などの意味があるとされている。建て替え後の古い建材は、神宮内の他の社殿や施設に再利用するか、日本各地の神社に譲渡されたりしている。すでに次回の式年遷宮の行事が2005年より進行しており、2013年には正遷宮が予定されている。
伊勢神宮参拝時には、「おかげ横丁」へ立ち寄ってみるのもよいだろう。内宮の門前町"おはらい町"の中ほどに、約2,700坪の敷地を利用して三重の魅力が凝縮したまちが平成5年7月に誕生した。そこには、江戸から明治にかけての伊勢路の代表的な建築物が移築・再現されている。
鳥羽からパールロードを石鏡方面に向かうと、海に架かる麻生の浦(おおのうら)大橋が見えてくる。
その橋を渡ったところに「サン浦島 悠季の里」がある。伊勢神宮から車で1時間ほどの距離だろう。
ロビーの奥には牡蠣の養殖いかだが浮かぶ生浦(おおのうら)湾が広がっていた。
日本情緒を感じさせてくれる雅な雰囲気がそこにあった。
伊勢志摩エリアは、日本でも人気の高い観光地であるが、唯一弱点があった。
それは日本人の"旅行"イコール"温泉"というものが、ここには無かったからだ。
しかし、この宿は違う。自ら温泉を掘削し、「鳥羽本浦温泉」の湯元として、宿を運営しているのだ。
現在「珠光の湯」と「和みの湯」という、2つの源泉を所有し、泉質はpH9.4〜9.5のアルカリ性単純温泉。
お湯は、ヌルヌル感のする、いわゆる美肌の湯として、特に女性に人気の温泉となっている。
宿泊棟である本館の横に「まろびね庵」という大浴場棟で、その温泉が体感できる。
男女大浴場とも、大きな内風呂、露天風呂、打たせ湯、ジャグジー風呂、檜風呂、陶器風呂、サウナ・・・など、まさに湯めぐりのできるほどの大規模な空間となっている。
基本的に内風呂の源泉は「珠光の湯」、露天風呂は「和みの湯」を利用している。
ただ、泉質上、すべりやすいお湯なので、歩く時は注意が必要だろう。
大浴場を出たところにある「さろん政」が、夕方6時までは湯上りサロンとして機能する。
取材時(2008年9月初旬)には、かき氷の上に白蜜のかかった心太(ところてん)が無料サービスでいただけた。
また、早朝6時からは、お味噌汁もいただけるとの事。
客室数は全41室。そのほとんどが海を望める部屋となる。
人気の露天風呂付き客室は5室、展望風呂(半露天風呂)付き客室は6室もある。
仕様の内訳は、和室が40室、和洋室が1室で、その唯一の和洋室が、最上階である9階にある露天風呂付き特別室904号室「花柚(はなゆ)のうたい」である。10帖和室にツインベッドルームが付く、この部屋は、やはりこの宿唯一のバリアフリー対応客室でもある。
広縁にはイスとテーブルの他にマッサージチェアが置かれている。また、露天風呂とは別にシャワールームも付いている。客室露天風呂は天然温泉を使用。
同じ9階にはあと3つ露天風呂付き特別室がある。そのうちのひとつ、901号室「海士(あま)の屋のかぞいろ」は、12帖と4.5帖の和室。
904号室と同様、マッサージチェアやシャワールームも付いているが、客室露天風呂は温泉ではなく、薬湯風呂となっている。902号室、903号室も同タイプ。
この9階の4つの特別室は、生浦(おおのうら)湾を一望できる眺望豊かな客室として人気が高い。
なお、1階にも露天風呂付き特別室がある。
105号室「はちす葉の露」は、10帖+4.5帖の和室。部屋の外には小さな専用の庭園があり、その先は海が間近に見える。この部屋にもマッサージチェアが置かれている。客室露天風呂は総檜製の贅沢なもの。湯舟も広々としていて開放感は抜群だ。
6階の展望風呂付き準特別室601号室「小望月」は、12.5帖+4.5帖の和室。部屋からもお風呂からも、海を見渡せる。客室展望風呂は、大きなガラス窓を開けると露天風呂のような雰囲気。天然温泉を使用していてジャグジー機能もついている。
マッサージチェアこそないものの、前述の特別室とさほど変わらないグレードを保っている。
同じタイプの客室に605号室があるが、ここの展望風呂は温泉ではなく水道水を使用。
1階・展望風呂付き客室104号室「草枕」は、10帖の和室。陶器の展望風呂は、天然温泉を使用し、半露天風呂と言ってもいい雰囲気。1階にあるせいで、海が間近に感じられる。
同じタイプの客室に101号室(10帖)、102号室(12帖)、103号室(10帖)がある
3階の標準客室303号室「紫苑(しおん)」も、オーシャンビュー客室。標準客室で唯一、15帖と10帖のニ間を持つ部屋である。グループで利用する場合にお勧めの部屋だ。
2階の標準客室217号室「片枝梨(かたえなし)」は12帖のオーシャンビュー客室。同タイプは212号室など。
8階の標準客室806号室「紫陽花(あじさい)」は、この宿で一番多い客室タイプ。
DVDデッキも備わっていた。間取りは、和室10帖+広縁+BT。
標準客室は、基本的に12帖、10帖、8帖の構成となっており、宿泊人数やご予算によって選択すればいいだろう。ちなみに306号室「海碧(みどり)」は、山側にあるため、12帖ながら格安の料金で宿泊できるとのこと。
ここで夕食の一例をご紹介しよう(2008年9月初旬取材)。
夕食は、基本的にお部屋でいただくことになる。この日のメニューは、平日宿泊料金20,000円ぐらいのグレードと思っていただきたい。
食前酒は自家製のカシスワイン。
酒肴は、売店で売っている牡蠣の姿煮、小さく細く巻いた地元石鏡産のサバ寿司、シメジの白和え、石垣むかごのしんじょう、さつまいものワイン煮、地元産ウタセエビの旨煮、栗の田舎煮に稲穂が飾られた6点盛。
そして、サンマと菊の花のなます。
続いて、吸い物として土瓶蒸しが出た。中身は、この時期は中国産松茸に鱧、他に鶏肉、海老、巻き湯葉、ミツバ。酢橘(すだち)を搾っていただく。
刺身は、地元石鏡産伊勢海老の姿造り。一人に一尾付く。添えられているのは、戻りガツオと地元産のアオリイカ。浜島では、カツオはマヨネーズをつけて食べるのだとか。
煮物は、穴子の蓮蒸し。愛知県篠島産の穴子をレンコンをペースト状にして蒸し上げた団子の上に乗せ、さらに下にレンコンの輪切りが敷かれているという手の込んだもの。とろみのあるあんに付けていただく。
ここで、洋皿が運ばれてくる。国産黒毛和牛ロースの炙り焼き。醤油ベースの自家製タタキタレでいただく。添えられている野菜は、レタスと菊菜とタマネギ。
焼き物は、伊勢海老、大アサリ、バタ貝(正式名は日扇貝。地元ではあっぱとも言う)の焙烙焼。添えられている酢橘を搾っていただく。
留肴に、地元産鱧とミョウガとししとうの天ぷら。出汁でいただく。
締めは、松茸の釜飯と伊勢海老の味噌汁だ。三重県産の米を使用した釜飯は、生米の状態からその場で炊き上げる。火が消えてから、5分ほど蒸らすといいそうだ。香の物も一緒にいただく。
デザートはナシ、巨峰、チョコレートムースケーキ、自家製牛乳カン。
夕食は以上となる。伊勢湾がすぐ近くということもあり、やはり伊勢海老や大アサリ、バタ貝など海の幸がメインである。
10月から2月までは、養殖の真牡蠣がいただけるとのこと。
朝食も夕食同様に、基本的にお部屋でいただくことになる。
朝食の一例をご紹介しよう(2008年9月初旬取材)。
地元で作った豆腐の鍋にはミツバが乗り、そのままいただく。
刺身はあおさのこんにゃく、ワサビ醤油でいただく。添えられているのはワカメのゼリー寄せ(煮凝りのような食感)。
サメのタレ(干物)は、煮物の器の一番上に添えられており、そのままいただく。その器には、出汁巻き卵、長芋、小芋、鶏肉、こんにゃく、昆布の煮しめが盛られている。
3種類の小鉢は、あらめ(昆布の一種)の煎り煮、茄子のお浸し、卵豆腐状の中に人参やきくらげ等の具を入れて固めたふくさ寄せ。茶碗蒸しの具は、海老、鶏肉、椎茸、銀杏、ミツバ。サラダは、レタス、サニーレタス、トマト、ホテトサラダ。
味噌汁の具は、渡り蟹とワカメ。渡り蟹はこの近辺でよく獲れるそうだ。デザートは、パイナップルとバナナの入ったヨーグルト自家製ブルーベリーソース掛け。以上に焼きのり、香の物が付く。
海に面して傾斜面に建つ宿の構造上、フロントが5階にあり、6階以上の客室棟と4階以下の客室棟は別エレベータとなっている。1階から最上階の9階まで行くためには一度フロントロビーのある5階でエレベータを乗換えなければならない。しかしながら、大浴場や、売店、そしてフロントなど、パブリックの施設はほぼ5階に集中しているため不便はないだろう。
ちょっとした気配りではあるが、エレベータの中にいすが用意されていた。お年を召した方にとってはありがたいのではないだろうか。
5階には前述したように大浴場棟「まろびね庵」があるが、その隣に、渡り廊下でつながっているクラブ棟「ひなくり庵」がある。
ここには、社交ダンスが踊れるほどの広いホールを持つクラブ「神籬(ひもろぎ)」、カラオケルームでもあるパーティールーム「りんりん・らんらん」と、この宿名物の貸切露天風呂付きカラオケルーム「うらら・さんさん」がある。カラオケをしながら露天風呂には入れないが、歌って騒いで汗をかいたら露天風呂で汗を流すといったスタイルか。
温泉でゆっくりのんびりした後は、女性の方にはフェイシャルエステ、ボディーエステ、フットケア、男性の方にはフットケアのメニューが用意されている、1階にあるエステティックサロン「プリス」でお肌に磨きをかけてみるのもよいだろう。
このエステサロンでは、同室内にあるハーブ岩盤浴も体験することができる。ただし、こちらは女性専用となる。
営業時間は15:00〜18:00、20:00〜受付終了時間は22:00。エステ、岩盤浴ともに予約が必要となる。
夜食が食べたくなった場合は、「さろん政」に行ってみよう。18:00〜24:00まで営業しており、ビールや焼酎はもちろんのこと、ラーメンや伊勢うどんも用意されている。
客室からも、ロビーからも、伊勢湾の最奥部にあたる生浦(おおのうら)湾を見渡せる。波は穏やかで昔より牡蠣の養殖に適しており、養殖筏が無数に浮かんでいる。
海岸沿いには、全国に牡蠣を配送する工場が建ち並ぶ通称「カキ横丁」がある。10月〜3月が旬となる。
湾に浮かぶ小さな島は無人島だが、遠くに見える島は菅島といい、鳥羽沖3kmあたりにある。
島の中央部には標高237mの大山がある。宿から見える南側は採石場となっており、良質の石がとれることで知られており、最近では中部国際空港セントレアの建設にも使われたとの事。
チェックイン時にはカラフルな浴衣のレンタルもある。有料なのだが、着付けはスタッフが手伝ってくれるとの事。100着の中から自分に合ったものが選べる。
季節変わりで20:30からロビーにて「太鼓」のショーが行われる。従業員の方が躍動感溢れる、素晴らしい太鼓の技を披露してくれる。演目は、この宿オリジナルの「悠季太鼓」と、伊勢志摩伝統の「磯部太鼓」だ。
使用している太鼓は大きなもので、子供を産んでいない松坂牛の雌牛の皮を25年乾燥させた最上級のものを使用しているそうだ。
太鼓のショーにつづいて、もちつきが行われた。9月の平日の月〜木の間とお正月三が日のみ行われるイベントだ。最初にホテルの従業員が、軽快なトークを交えつつ地味なコネを行い、徐々にツキに入る。餅がまとまってきたところで会場に集まっているお客様に参加いただいて、ツキあげる。ついた餅はきな粉をまぶして宿泊客に振舞われた。
また、毎朝7:00〜11:00には、ロビーにて朝市が開催される。地元の港で揚がった魚介類の加工品「いわしの漁火焼」、「かきのり」、「海女の磯笛」、「オリーブ焼き魚」、「かわはぎ」、「いか串焼き」などが並ぶ。
「サン浦島悠季の里」のおみやげの人気トップは、客室にお茶請けとして出されているオリジナルの「季いづら」だ。他にも「ほたて浜煮」「伊勢えびせんべい」「あおさせんべい」「茎わかめ」も人気だという。
伊勢神宮からは鳥羽へは、伊勢志摩スカイラインが走っている。伊勢市街や伊勢湾を見渡せる「一宇田展望台」、足湯に浸かりながら渥美半島と知多半島が一望できる「朝熊山頂展望台」を通過すると、そこはもう鳥羽だ。鳥羽では、ミキモト真珠島や鳥羽水族館に足を運ぶのもよいだろう。
そして、この鳥羽からパールロードはスタートする。
周辺はドライブコースとしても魅力的だ。
「サン浦島」を越えてさらに南に、パールロードを志摩方面に向かうと、海女さんの発祥地でもあり鮑の水揚げ港として有名な石鏡(いじか)漁港が見えてくる。
この漁村は、演歌歌手の鳥羽一郎・山川豊兄弟の出身地でもある。さらに先に進むと、パールロード最大の絶景ポイント「鳥羽展望台」がある。
高台からは雄大な太平洋が一望でき、水平線に地球の丸さが実感できる場所だ。
そして、パールロード終点間近には、リアス式海岸の深い湾に架かる「的矢湾大橋」が待っている。橋の上から見える緑に包まれた台地の中に映える赤い橋は印象的だ。橋を渡りきった先には志摩スペイン村が見える。
「サン浦島 悠季の里」の社長・吉川勝也氏は57歳(平成20年9月取材時)。
現在、この宿だけでなく、近くに小規模型和風オーベルジュ「あじ蔵かろかろ」、志摩市阿児町に貸切露天風呂の「心湯あそび ねぼーや」、少し離れて紀伊長島方面に「ホテル季の座」、そして2008年7月、南鳥羽石鏡(いじか)地区に全室スイートルームの「御宿The Earth」をオープンさせた。これで合計5軒にもなる。
彼の経営スタイルは、この宿のラインナップ構成でも見て取れる。
一番リーズナブルな価格設定である「ねぼーや」から一番高級な「御宿The Earth」まで、価格帯やコンセプトまで異なるようにしており、いつでも時代の流れについていくことのできるスタンスで経営をされているようだ。
それは、常にお客からの意見、世のトレンド、あらゆる方面から情報を集め、その結果、宿泊するゲストが満足できるような仕掛けを、当たり前のように作っていくのだろう。
吉川社長は3代目。会社の創業は、初代・与之助氏が、浦村と鳥羽間の貨物運搬の定期航路を開設し、旅客船及び海産商を始めた昭和27年にさかのぼる。この年に「観光旅館 浦之島荘」をオープンさせた。当時はたった5室のみの宿だった。
昭和42年に屋号を変更し新たに「ホテル浦島」を完成させた。11室のスタートだったが、17室まで増築した。
昭和49年に勝也氏、入社。23歳の時だった。昭和51年に勝也氏、専務取締役に就任。
昭和56年には「サン浦島」に改称。52室の規模までになった。
平成元年には悲願の温泉掘削に成功した。翌年の平成2年に社長就任。
そして、平成6年には大浴場棟「まろびね庵」を完成させた。
平成9年に古い民宿を買い取り、改装して「あじ蔵かろかろ」を開業。
平成11年には「サン浦島」から現在の「サン浦島 悠季の里」と屋号も変え、客室を全面改装、特別室4室増設、そして全室シャワートイレを付けた。
平成12年には「ねぼーや」(平成16年には温泉掘削成功)を開業。
平成14年には紀伊長島レクリェーション都市開発(株)(第三セクター)の営業を開始し、「ホテル季の座」をオープンさせた。
そして平成20年に54,000坪もの敷地を有する「御宿The Earth」を完成させた。
吉川社長は、「あじ蔵かろかろ」、「ホテル季の座」など、閉鎖された宿泊施設を再生するプロフェッショナルでもある。
それは、団体客よりも個人客のニーズをくみとり、特に女性の意見を積極的に取り入れた結果、多くの支持を得るように造りかえる。
「サン浦島 悠季の里」を実際に取り仕切るのは、社長夫人でもある吉川典子さんだ。いつも晴れやかな着物を着こなし、地元では評判の美人女将として知られている。
女将さんの接客の基本は、「お互いの気持ちを思いやる」事。例えて言うと「自分の彼氏のご両親を迎えるような気持ちかしら」・・・と、微笑んで答えてくれた。
その女将に育てられたスタッフは、若く元気があり、そして何よりも活気が感じられた。
毎晩行われる太鼓のショーなども、スタッフが自発的に始められたもの。この点を見ても、スタッフ自らが、いかにお客様に喜んでいただけるか、考えながら行動している表れだろう。
そんな良きパートナーである女将とスタッフに恵まれている吉川社長は、旅館経営のみならず、民間事業者からなる「伊勢鳥羽志摩交流フロントコンソーシアム」の代表も勤め、人工透析が可能な施設建設事業をメインに地域の活性化に積極的に進めている。
鳥羽に最初に温泉を掘り当てたのが、ここ「サン浦島 悠季の里」。吉川社長の熱意の賜物だが、当時、地元の大学の地質学者から見ても、「99%温泉は出ない」と言われたという。
しかし、どうしても諦めきれない社長は、当時1億円もの巨費をかけて地下1000メートル掘り、現在の源泉を掘り当てたのだ。このチャレンジ精神は、近隣の旅館経営者に大きな影響を与えた。
今後も、吉川社長は、各方面にアンテナをはりながら旅館経営の舵取りをしていくだろうが、この先の「サン浦島 悠季の里」の変遷が楽しみだ。次なる新しい"旅館"のスタイルが、そこに表現されるはずだからだ。(J)